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更新日:2023年10月11日

第1108回長野県教育委員会定例会会議録

1 日時

 令和5年(2023年)10月11日(水)

 午後2時30分から午後4時20分まで

 

2 場所

 県庁本館8階 教育委員会室

 

3 議題等

○議題
 議第1号 令和5年度教育関係功労者表彰被表彰者について  

 議第2号 令和6年度長野県立特別支援学校幼稚部の幼児及び高等部の生徒募集に係る基本的事項について 

 議第3号 長野県文化財保護審議会への諮問について

 

○教育長報告事項
 (1) 令和5年9月県議会定例会の結果について   
 (2) 令和6年度公立学校教員採用選考状況について  
 (3) 長野県特別支援教育ICT・ATリソースセンターについて  
 (4) 令和6年度県立高等学校、特別支援学校高等部で使用する教科書の採択状況について
 (5) 令和4年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果について   
 (6) 令和5年度「スマホやPC、ゲーム機等とのよりよい関わりに向けたアンケート」調査結果について 

 (7) 県立歴史館秋季企画展「信州やきもの紀行」の開催について
 

○その他
 (1) 特色ある学びに関する取組紹介

   

4 出席者

○教育長 内堀 繁利
 

○委員

 教育長職務代理者 酒井 英樹
 委員 矢島 宏美 
 委員 塚田 裕一
 委員 中川 綾
 委員 荒川 玲子

 

○その他
 米沢教育次長、曽根原教育次長、今井高校改革推進役、中沢教育政策課長、加藤参事兼義務教育課長、志津参事兼高校教育課長、宮澤参事兼高校再編推進室長、酒井特別支援教育課長、臼井参事兼学びの改革支援課長、 召田心の支援課長、岡田文化財・生涯学習課長、永岡保健厚生課長、沼澤スポーツ課長、下條国民スポーツ大会準備室長

会議録


内堀教育長
 ただいまから第1108回「長野県教育委員会定例会」を開会いたします。
 本日の審議事項中、議第1号「令和5年度教育関係功労者表彰被表彰者について」は、特定の個人に関する情報が含まれている事案です。
 つきましては、議第1号を非公開とすることが適当と思われますが、御異議ございませんか。

 

全委員
 異議なし。

 

内堀教育長
 御異議ございませんので、議題1号につきましては、非公開とすることに決定いたしました。
 なお、非公開議案につきましては、最後に審議することといたします。
 それでは、議題に入ります。
 議第2号「令和6年度長野県立特別支援学校幼稚部の幼児及び高等部の生徒募集に係る基本的事項について」、酒井特別支援教育課長から説明をお願いします。

 

酒井特別支援教育課長
(資料説明)

 

内堀教育長
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたら、発言をお願いいたします。
 中川委員、どうぞ。

 

中川委員
 御説明ありがとうございました。基本的な質問です。今、定員の増減のお話の中で、希望と見込みの話があったと思うのですが、基本的には希望した場合はほとんど入れると考えてよろしいですか。

 

酒井特別支援教育課長
 御質問ありがとうございます。
 特別支援学校の高等部につきましては、基本的に希望された方全員に入学いただくことになります。ただ、少し注意をいただきたい点としまして、一般就労を目指す分教室につきましては、1校当たり8名定員となっておりますが、そちらにつきましては希望どおりにならないケースがありまして、その場合には、本校のほうに通っていただくということも、教育相談を通じて行っております。
 以上です。

 

内堀教育長
 よろしいでしょうか。
 他はございますか。よろしいですか。
 それでは、議第2号を原案どおり決定したいと思いますが、御異議ございませんか。

 

全委員
 異議なし。

 

内堀教育長
 御異議ございませんので、議第2号を原案どおり決定いたします。
 次に、議第3号「長野県文化財保護審議会への諮問について」、岡田文化財・生涯学習課長から説明をお願いいたします。

 

岡田文化財・生涯学習課長
(資料説明)

 

内堀教育長
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたら、発言をお願いいたします。よろしいですか。
 それでは、議第3号を原案どおり決定したいと思いますが、御異議ございませんか。

 

全委員
 異議なし。

 

内堀教育長
 御異議ございませんので、議第3号を原案どおり決定いたします。
 続いて、教育長報告事項に入ります。
 教育長報告事項(1)「令和5年9月県議会定例会の結果について」、中沢教育政策課長から説明をお願いします。

 

中沢教育政策課長
(資料説明)

 

内堀教育長
 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がありましたら、発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。
 では、以上で教育長報告事項(1)を終了いたします。
 次に、教育長報告事項(2)「令和6年度公立学校教員採用選考状況について」、加藤義務教育課長から順次説明をお願いします。

 

加藤義務教育課長
(資料説明)

 

志津高校教育課長
(資料説明)

 

内堀教育長
 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がありましたら、発言をお願いいたします。
 酒井教育長職務代理者。

 

酒井教育長職務代理者
 御説明ありがとうございました。
 二つ、もし分かれば教えていただきたいということですけれども、まず、去年は1次試験の日程の変更、今年度は2次試験の実技試験の廃止というか変更ということで、受験の内容を変更してきているわけですけれども、そのことによる違いというか、志願者数の増減等で何か見られている部分はあるのかということを、もし分かれば教えていただきたいということです。
 2番目としては、先ほど学卒の小中の受験志願者は587名ということで増えているということでしたけれども、小中別だとどうかということです。
 先日、文部科学省の方の説明の中で、小学校は比較的学卒は維持をしているけれども、中高で学卒者の受験生が低くなっていると、そのような全国的な流れがあるということだったので、ちょっとお伺いしたいということです。
 1点目に関しては、倍率、トータルとしては昨年度よりは若干下がっているところもあるのかなと思うんですけれども、もう一昨年前というか、改革を始める前の合格者倍率を考えると、若干ちょっと上がったところは維持できているのかなと思ったので、その評価を考えていきたいということです。お願いします。

 

加藤義務教育課長
 よろしくお願いします。本年度採用選考で変更した点は幾つかあるんですけれども、その中で成果として確認できている部分だけしかお答えできないのですが、中学校で学級担任経験のある講師が中学校教諭を受験した場合の1次選考免除という枠を新設しましたが、この志願者は53名だったのですが、その中の44名は昨年度も社会人選考枠等で受験をされている方で、9名については受験をされていない方ということで、少なくともその分については成果があったのかなということは検証できています。
 その他については検証が難しい状況です。
 2点目であります。学卒者の人数の推移ですが、全国的な推移を見ると、小学校では維持ないし、あるいは伸びているということがあります。中学校ですが、長野県におきましては令和3年度が155人、4年度は195人、令和5年度219人というふうに若干ですけれども伸びている傾向があります。これは長野県の特徴なのかなと思います。

 

酒井教育長職務代理者
 ありがとうございました。
 また説明会等々、採用試験の受験生を増やすための方法というものをいろいろ取っていくと思うのですけれども、こういうところのデータとか評価をしながら進めていくといいかなということで、私たちも考えていければいいかなと思っています。ありがとうございます。

 

内堀教育長
 他にございますか。よろしいですか。
 それでは、以上で教育長報告事項(2)を終了いたします。
 次に、教育長報告事項(3)「長野県特別支援教育ICT・ATリソースセンターについて」、酒井特別支援教育課長から説明をお願いします。

 

酒井特別支援教育課長
(資料説明)

 

内堀教育長
 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がありましたら、発言をお願いいたします。
 中川委員、どうぞ。

 

中川委員
 御説明ありがとうございました。大変いい取組だなと思ってお聞きしております。
 質問とかではないのですが、ホームページ等も見ると、一つ一つ、45種類の説明が載っていて、多分必要な先生に届けば使ってもらえるいいサービスというかサポートになるのではないかなと思います。
 このチラシも大事ですけれども、特別支援学校だけではなくというお話でしたので、多くの先生方に本当に届くように、このリソースセンターができたという情報が届くことを願っていて、どうにか全ての先生がこの情報に触れられるといいなと思っております。
 とてもすばらしい取組だと思いました。ありがとうございます。

 

内堀教育長
 酒井課長、何かコメントはありますか。

 

酒井特別支援教育課長
 ありがとうございます。やはりこちらについては機器を大分整備したのですが、使っていただくことが非常に大事であると思いますし、使い方の支援もしていきたいと思っております。中川委員におっしゃっていただいたとおり、周知ですとかサポートをしっかりやっていきたいと思います。

 

内堀教育長
 他はいかがでしょうか。
 酒井教育長職務代理者。

 

酒井教育長職務代理者
 説明ありがとうございました。
 私も同様の趣旨の意見を言わせてもらうということですけれども、この取組の話を他県の教育委員の方としたときに、かなり先導的であるというような認識をおっしゃっていました。
 こういうすばらしい取組で、一人ひとりの学びがまた豊かになるというところもとても大事だと思うので、ぜひ活用を進めていただきたいと思っております。
 その意味で、「取組(支援)のイメージ」の事例のようなもの、それからリソースセンターのチラシのところでは相談の例というところがあるのですが、ここは個々の子どもたちの情報が特定されない程度にまた豊かにしていただいて、どういう子どもたちが、どういう機器によってタスク支援を受けられるのかという具体的な目安や例を示していただけると、多くの先生たちの判断の助けになるのかなと。
 まず、メールで相談しようと思うところがとても大事だと思いますので、その一歩を踏めるように、事例等で周知していただけるといいかなと思っております。よろしくお願いします。

 

内堀教育長
 お願いします。

 

酒井特別支援教育課長
 ありがとうございます。酒井委員がおっしゃるとおりで、使うイメージが持てないとなかなか普及していかないだろうなと我々も思っておりまして、そのために今回のチラシも作ったのですが、これ以外に、ホームページ等に実践事例も個人が特定されない形でどんどんと載せていきたいと思いますので、そういった取組を強めていきたいと思います。
 御意見ありがとうございます。

 

内堀教育長
 他はございますか。よろしいですか。
 それでは、以上で教育長報告事項(3)を終了いたします。
 次に、教育長報告事項(4)「令和6年度県立高等学校、特別支援学校高等部で使用する教科書の採択状況について」、臼井学びの改革支援課長から説明をお願いします。

 

臼井学びの改革支援課長
(資料説明)

 

内堀教育長
 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がありましたら、発言をお願いします。
 荒川委員、どうぞ。

 

荒川委員
 お願いします。教科書はとても学校生活、また学習に必要なことではあるんですが、これだけペーパーレス化が進んでいますので、子どもたちを見ていましても、例えば自転車通学をする子ども、歩いている子どもたちの様子を見ますと、大変重い教材と、それからサブバッグなどを持って通学している子どもたちの姿を見ますと、腰痛になっている子どももいるというのが実際私の周りでも見ていて感じることです。
 教材を充実させるのももちろんですが、本当に必要なものを、副教材なども改めて考慮していただいて、しっかりこれだという教材を読み込み、子どもたちが考えながら必要なものを必要なときに購入してというような形で推進していっていただければいいなと思っています。
 以上です。

 

内堀教育長
 臼井課長、何かコメントはありますか。

 

臼井学びの改革支援課長
 御指摘の点は大切な点だと思っております。副教材につきましても、学校徴収金等のことも含めまして、またデジタル化も含めまして、各学校で順次工夫をしているところかと思いますけれども、教育委員会としてもしっかりと注視してまいりたいと思っております。
 以上でございます。

 

内堀教育長
 よろしいでしょうか。他はございますか。
 それでは、以上で教育長報告事項(4)を終了いたします。
 次に、教育長報告事項(5)「令和4年度『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』の結果について」、召田心の支援課長から説明をお願いします。

 

召田心の支援課長
(資料説明)

 

内堀教育長
 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がありましたら、発言をお願いいたします。
 矢島委員、どうぞ。

 

矢島委員
 御説明ありがとうございました。
 幾つかありますが、まずは4ページの「いじめ発見のきっかけ」のところですけれども、長野県を見ますと、結構、学級担任が発見したりとか、本人からの訴えができているというのが全国に比べて多いのかなと思います。
 その分、子どもが言えるような環境であるとか、先生方の日々の配慮とか、子どもたちをよく見ているんだな、いじめの見逃しがなくなるような努力をされているんだなということがよく分かります。
 それと同時に、全国では半数ぐらいがアンケートから発見できたということですけれども、本人からの訴えができる子どもはいいんですが、なかなか直接訴えができない子どもたちも結構いると思っていて、いじめに限らず不登校もそうですけれども、簡単にできるタブレット等を活用した定期的なアンケートの実施というものも結構効果的かなというふうに思います。
 一つ目の質問としては、長野県はどのようなアンケートの取り方を、ペーパーであるとか、それともタブレット等を活用しているのか。手法と頻度が学校によって違うと思うんですけれども、おおよそこんな形でやっているというのを教えていただければありがたいです。
 それから、7ページの「不登校の状況について」ですけれども、昨今、不登校のことについては結構注目されているかと思うんですけれども、不登校というくくりの中で様々な要因があると思っています。一つは選択的に子どもが学校に行かないということを選んでいる場合もあれば、家で虐待によって学校に行くという選択を奪われている子どもに結構私は出会っていて、本人が行きたくても行かれないという状況があります。そういう場合には、やはり福祉行政とか、スクールソーシャルワーカーの連携を強化していただけるような配慮が必要かなというふうに思います。
 それから、学校が安心ではなくて学校に行くことをしないという選択の中で、やはり学校の在り方を見直す時期に来ているのかなと思います。誰にとっても学校が安心・安全であるということ、これは子ども同士のいじめもそうですけれども、先生の恫喝の声であるとか、大声であるとか、そういうような学校全体の在り方というものももう一度見直す、子ども同士だけではないところも必要だと感じます。
 それが9ページの「不登校の要因」というところで、私は毎年これが出るたびに発言させていただいているんですけれども、これは国が出している質問項目なので県のほうではどうしようもないんですけれども、やはりこれは先生が「多分こういう要因があるんだろうな」ということで出していると思うんですが、実際には、本当に本人に聞かないと不登校の背景は全く分からなくて、要因が分からない。
 分類としては「無気力・不安」というところが多いんですけれども、その無気力・不安に至るまで、先生がそう感じる背景が必ずあるというふうに思っていますので、その無気力・不安に感じるところはどこから来るんだろうかというのは、本人がやはり語らないとなかなか見えてこないところがあると思います。ぜひ支援の方法というところも、適切な支援をするためにも、本人がどのような背景で来れないのかというところを聞いていただけると、すごくいいなと思います。
 そして、11ページの中途退学者の2です。ここでは、かなり学校の先生方も、ただ中途退学をするのではなくて、この子がどうやってこの先生きていくかということを考えていただいているのがよく分かるんですが、中途退学者数の令和4年度の「進路変更」のところも37.9%あるということで、ここにつながるということがすごく重要だと思っています。その上の「学校生活・学業不適応」によって退学しなければならないけれども、次につながる、その後の社会とのつながりをぜひ強化していただく視点を持っていただきたいなと感じました。
 中途退学した子どもたちが、どこともつながることなくするのではなくて、ぜひ社会と、できれば進路変更をして、どこかとつながるような、今、学校の選択肢もたくさん出ているので、そのような形をさらにお願いしたいと感じました。
 最後に、今後の取組についてですけれども、長野県が県の教育委員会のほうで、県立学校で実施したGoogleフォームによって困っていることを相談するというのを、それぞれの学校の中で昨年から取り組まれていると思いますが、それをぜひ小中学校に拡大するとともに、私はより発展させるために、そのGoogleフォームの相談先を学校内だけではなくて教育委員会のほうまで、選択肢が広がる相談先があったらいいかなというふうに感じました。ぜひ活用の幅を広げるような取組になったらいいなと感じました。
 以上です。

 

内堀教育長
 何点かありましたけれども、お願いします。

 

召田心の支援課長
 様々な点について御指摘いただきましてありがとうございます。
 最初に、いじめの発見のきっかけのアンケートについての御指摘でした。ありがとうございます。基本的には紙ベースでのアンケートで、記名であったり無記名であったりということを、できる限り多くの頻度で各学校で実施することを求めています。さらに、アンケートだけではなく、アンケートと面談をセットで行うことが有効であるということをこちらでは考えて、様々な研修会等で行っております。
 なお、長野県のいじめ発見のきっかけとして、学校の教職員以外からの情報による発見が全国より高いということで、これは小中学校で日々の連絡帳として活用している生活ノートや「あゆみ」等によって児童生徒や保護者から悩みや相談を受けることが多くあり、本人からの訴えの割合が多くなっているところです。
 なお、この割合は100%ということになりますので、他の部分がどうしても少なくなっているところです。
 続きまして、不登校の状況です。不登校の要因は、委員御指摘のように、家で虐待があって行きたくても行かれない子どもがいるということでも報告も受けているところです。
 また、「無気力・不安」が最も多くなっている中で、こちらも具体的な事例として報告いただいているところでは、例えば、学習、心身の不安から母親に暴力暴言を振るい、パソコンでゲームをして過ごすことが多くなる。昼夜逆転の生活になっていてスクールソーシャルワーカーの介入を得て家庭への支援を行っているであるとか、周囲に気を遣うため疲れてしまうことが多く、また、友人関係や学習面などの不安を大きく感じ欠席が多くなっている、少人数で不安を取り除くよう配慮するがなかなか好転をしないといったような状況で、どうしてもこの選択肢の中から学校が判断するというような状況から、この「無気力・不安」が多くなっているというふうに考えられます。
 高等学校の中退で、学業不適応から進路変更につなげていただきたいということで、高校で中途退学になりそうな子ども、中途退学を申し出てくるような生徒に対しては、県作成のリーフレット『新たな進路のために』というものを使いまして説明を行い、就職や進学に結びつけるように各学校で指導をしていただいているところです。それは県立高校だけということになります。
 最後に、今後の取組として相談体制、1人1台端末を活用した県立学校の取組は、今年の8月4日付で各市町村教育委員会のほうにも、児童生徒に配付している端末、学習用タブレットを活用した相談支援の件について事例を紹介して、取組を依頼しているところです。
 ただ、県立学校でも、基本的には1人1台端末からの相談は各学校で相談を受けるということになっております。委員御指摘のように、それを学校以外の場所で救えるような形になるには、どういう形がよいかどうかは、他県の例も参考にしながら研究してまいりたいと思います。

 

内堀教育長
 お願いします。

 

矢島委員
 ありがとうございました。よく分かりました。
 そのアンケートの件ですけれども、まだ紙ベースでやっておられるということですけれども、一斉に紙で書いてくださいとか何かをやったりすると、周りの目がすごく気になって、特にいじめられている子どもとか、またいじめの加害の子は、あの子は何を書くんだというようなプレッシャーがあったりするので、よりアンケートは簡単にシンプルに、いつでもできるような形で、それが先生方の負担にもならないような、また紙を刷ったりとか、見たりとか、目を通すのではなくて、パソコン場にばーっとデータで出るとか、何かそんなようなシンプルな形がいいかなと思います。
 また、先生の面談のときに話そうというきっかけを持っている子どもも多いと思います。面談はとても相談しやすい場面の一つかなというふうに感じますが、何しろ先生方がお忙しいというところと、子どもの人数が多いので、1人当たりの面談の時間がとても限られるということもデメリットであるかなと思います。
 ぜひ簡単にいじめが発見できるような、タブレットを活用したアンケートの取り方というのも、いま一度考えていただければありがたいです。
 以上です。

 

内堀教育長
 お願いします。

 

召田心の支援課長
 非常に重要な点だと思いますので、研究してまいりたいと思います。ありがとうございます。

 

内堀教育長
 他にございますか。
 塚田委員、どうぞ。

 

塚田委員
 一つだけ質問ですけれども、2013年にいじめ防止対策推進法という法律ができて、国からの法律ですが、これは加害者側に立った当事者意識の欠如に対する法律というふうに基本的には聞いております。
 私は、長くやらせていただいている中で、いじめ問題に関しては加害者側の当事者意識の欠如が主な原因ではないかとずっと言い続けているんですが、この法律に対しての、推進法ですからそのものを使って云々ということではありませんが、加害者に対する、被害者に対するというのはもちろん両方必要ですが、加害者側への対策というのは多少変わったんでしょうか。質問です。

 

内堀教育長
 お願いします。

 

召田心の支援課長
 御指摘ありがとうございます。
 いじめ防止対策推進法ができて約10年たって、いじめ法の定義によるいじめということに対する意識で、各学校での認知というものが進んでいるところであります。と同時に、今の御指摘のとおり、被害者だけではなく加害者への指導も学校に求められているところです。
 昨年度、いじめの重篤化を防ぐための方策として、「長野県いじめ対応マニュアル~いじめの重篤化を防ぐために~」ということを国公私立全小中高校へ配付しまして、いじめの加害者指導、被害者支援を含めて、いじめに対する適切な対応について留意点を示し、各学校、教員が参考として活用できるようにしているところです。

 

内堀教育長
 よろしいでしょうか。
 他にございますか。酒井教育長職務代理者。

 

酒井教育長職務代理者
 9ページの「不登校児童生徒が学校内外で相談・指導等を受けた状況」ということで、ここは基本的には専門的な相談・指導ということなので、学級担任等による相談とか対応については含まれないということなので、いわゆる相談を受けていないという数があったとしても、放っておかれているわけではないという状況だと思います。それを聞いて安心をしております。
 一方で、例えば今年度スクールカウンセラーは去年よりは3名増えている。それからスクールソーシャルワーカーが4名ぐらい増えて、こういうところに対応しようということで充実を図ってきているわけですけれども、それの対応を上回る状況なのかどうなのかということの認識について、ちょっと教えていただければと思います。
 一つは、対応し切れていないということであるとするならば、子どもたちが本当はカウンセリングを受けたくても受けられないという、そういうような状況がどうしても多くなってしまうであろうということ。別の教員の働き方改革というか観点でいくと、ここの対応が全部いわゆる教員のほうに行くということで、チームで対応していくような体制をつくっていくということも大切なのかなというふうに思うので、最後のページの一番上のカウンセラー等の充実のところが大事になってくるだろうと思うんです。これについて、今の段階で分かるところを聞かせていただければと思います。

 

召田心の支援課長
 ありがとうございます。
 御指摘のとおり、不登校に関しても担任等が決して一人で抱えることのないように、チームで、学校で対応するということで、こちらも「はばたき」等で紹介しているところです。
 御指摘のように、実際に不登校児童生徒数の急増ということも正直なところあるかなというふうに思うのと同時に、一方で、専門的な支援を担任の先生とかが紹介しても、それに乗ってこないといいますか、スクールカウンセラーとの面談はいいですというような例もあります。
 不登校といっても様々な形態であって、年間31日休まれて、それ以外の日は学校に来ているお子さんもいれば、年間90日以上、本当に学校に来たくても来れない子もいるということで、それぞれの子どもさんによって、学校は個々のケースに対応しているというふうに承知しております。
 今後とも、そうはいっても専門家の方と連携をして対応することは必要だというふうに認識しておりますので、その部分は周知してまいりたいと思います。

 

内堀教育長
 他にございますか。荒川委員、どうぞ。

 

荒川委員
 お願いします。細かい資料など出していただいてありがとうございました。
 現在及び今後の取組等についてというところを見まして、親、保護者に対する支援という言葉が想像以上に少ないかなという感じを受けました。不登校の要因として、小学校時代から親子の関わり方が分からないという親御さんがかなり多いという数値が出ている中で、その数値が中学校になってもあまり減っていないということは、小中ずっと親御さんが家庭内で不安を抱えたまま子育てをしているという状況が長い間続いているということが分かると思います。
 その中で、親も今コミュニケーションがなかなかしづらい時代であったり、外からの過度な情報によって悩みが大きくなっている親御さんもかなり多いと思いますので、そういった部分では、ぜひ親に寄り添えるような相談体制も、子どもの相談と併せて充実させたものにしていただきたいと思います。

 

召田心の支援課長
 ありがとうございます。
 不登校は問題行動ではないということは言いながらも、まだまだ一方で不登校に対するネガティブなというか、マイナスなというか、そういう認識を持たれる方が多く、そのことによって子どもはもちろん不登校の子どもさんがいらっしゃる親御さんが傷ついているということも認識しているところです。
 学校や市町村教育委員会によっては、不登校の方の親の会というようなものをつくって一緒に考えている部分もあるというふうに聞いております。
 学校としましては、スクールカウンセラーは本人だけではなく保護者の相談にも乗れる部分がありますし、また、その中から、例えば福祉部分で家庭の支援が必要だというふうに判断られた場合は、スクールソーシャルワーカーを通じて各必要な機関と連携するようなことをしているところです。
 今後も保護者への支援ということも頭に入れながら検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。

 

内堀教育長
 よろしいでしょうか。
 他はございますか。中川委員、どうぞ。

 

中川委員
 ありがとうございます。
 これは去年も調査したなと思って、去年の資料を引き出して見比べていたんですけれども、今回の現在及び今後の取組等についてというところで、こうやって不登校の子どもたちが増えているという中で、プラスしたところとか、変わったところはどこなのかなという見方をしました。
 例えばですけれども、カウンセリングを受けたくても学校に来ることができない子どものために、オンラインを活用した遠隔カウンセリングの実施というのは去年の文言にはなくて、多分この1年で変化したところなのかなということがあります。
 他にも幾つか追加されている部分とか、ちょっと変更されている部分があって、やっぱりやってみてどうだったかという検証をされた上で新しい取組をされていると思うので、何か変化とか追加されたみたいなことがちょっと分かるようなものが当事者に伝わっていくといいのかなと少し思いました。
 私も見比べても、どこの文章と順番が入れ替わっているとか、上下の順番で重要度が違うのかなとか、これは公開されるわけではないと思うのですが、大人が見ても分かりづらかったり、新しい対策をせっかくしていても伝わらなかったりというのがあると思うので、せっかくやっていることが、変化と対策とリフレクションというか成果の検証については、もうちょっと分かるといいかなと思いました。
 分かりづらい話ですみません。以上です。

 

内堀教育長
 いかがでしょうか。

 

召田心の支援課長
 ありがとうございます。なかなか毎年毎年新しい取組ということはできない部分があり、昨年度の部分を、文言等を考えながらまとめているところです。
 いじめ、暴力、不登校、それから自殺対策等を含めて、様々な諸課題に全てつながるものかなと考えているところで、新しい試みも含めて、内容の整理について、こういう方向で取り組んでいるんだということは整理してまいりたいと思います。ありがとうございます。

 

内堀教育長
 他はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、教育長報告事項(5)を終了いたします。
 次に、教育長報告事項(6)「令和5年度『スマホやPC、ゲーム機等とのよりよい関わりに向けたアンケート』調査結果について」、召田心の支援課長から説明をお願いします。

 

召田心の支援課長
(資料説明)

 

内堀教育長
 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がありましたら、発言をお願いいたします。
 矢島委員、どうぞ。

 

矢島委員
 ありがとうございました。
 感想ですけれども2点ありまして、一つは、なかなか相談できない、直接親に相談したいんだけれどもできないというようなところがありますが、私は自分の活動を通して、子どもたちがトラブルに巻き込まれたときとか、ちょっとした悩み事を親に相談できない一つとして、親がスマホをずっと見ているからということがあります。子どもがせっかく相談したくても、親がスマホを見ていると、やはり相談できない。自分がここにいるんだけれども、いるというふうに認められないというような寂しい思いをしている子どもたちもいます。
 もちろん子どもたちに対しての啓発活動はすごく重要ですけれども、それとともに、親、大人の意識もいま一度立ち止まって、やはり親がスマホに頼っていないか、多分自分のことを振り返ると、かなりスマホに頼っているな、スマホを見ている時間が多いなということもありますので、大人ももう一度意識を改めて、子どもにいいモデルを見せていくというのも一つの視点かなと思います。
 それから、ネットトラブルとか啓発に関して、時々メディアとか事務局の報告からも伺えるんですけれども、子どもに対してのルールづくりであるとか、メディアリテラシーの関係は、大学生であるとか、大学生が高校生に伝えるとか、高校生が中学生、中学生が小学生に伝えるというような、子ども同士のほうがよく分かっている部分がありますので、そのような形で、大人が言うよりは少し上のお兄さんお姉さんから聞いたほうがよっぽど入ってくる場合もありますので、そのような方法もあるかなと感じました。
 以上です。

 

内堀教育長
 何かコメントはありますか。感想ということですが。

 

召田心の支援課長
 御指摘ありがとうございます。
 ちょっと違う視点ですけれども事例として、この子どもと親とのルールづくりということで、意外に子どもたちのほうも、学校ではなく家庭内でルールをつくってほしいという声もあって、例えば勉強するときに親にスマホを預かってもらいたいと思っているんだけれども、自分が勉強していたら親が携帯ゲームですごい音を出して集中できなかったというような感想もあったりする部分があります。教育委員会としてどこまでできるか分かりませんけれども、できる限り、そういう大人側の必要な部分に関しては取り組んでまいりたいと思います。
 あわせて、子ども同士でのルールづくりやリテラシーという観点でできることがあるか探ってまいりたいと思います。
 ありがとうございます。

 

内堀教育長
 酒井教育長職務代理者。

 

酒井教育長職務代理者
 御説明ありがとうございました。
 1点、要望というか、もし可能ならばということでお願いしたいことは、ここで出されているアンケートは学習以外について聞いていると思うんですけれども、GIGA構想の状況を見ると、学習も含めた家庭でのスマホ、ICTの活用というところをトータルで見ていく必要があると思います。特に、健康被害の観点ということで、そういうデータも集めていく必要があるかなと思いました。
 今でも、実際、家庭に1人1台端末の持ち帰りを小中でも促進をしようとしている流れがありますし、その中で、来年度からは小中で英語のデジタル教科書が配付されることが決まっていると。なので、家庭でのデジタルデバイスの活用というのは、いま一層増えてくるだろうと。
 そういう中において、この全体としての利用というものも検討する必要があるかなというふうに思い、そこのデータを取るということも検討していただければと思いました。

 

内堀教育長
 いかがでしょうか。

 

召田心の支援課長
 2ページの下の(3)は、「家庭で何時間利用しているか(平日・学習)について」という調査となっております。また、その調査項目、質問等について、今、委員御指摘の点を踏まえまして、子どもとメディア信州の団体とも協議して、来年度検討してまいりたいと思います。ありがとうございました。

 

内堀教育長
 他にございますか。
 荒川委員、どうぞ。

 

荒川委員
 お願いします。今回はアンケート調査の結果ということですが、小児科医の先生が関わってくださっているということで、今後、悪影響というか、目に関わる、または脳に関わる、これをこうすることによってこういう可能性があるというような専門的なデータなどを見せていただいて、根拠を基に適切な使い方を促すような働きかけもぜひお願いしたいと思います。

 

内堀教育長
 お願いします。

 

召田心の支援課長
 ありがとうございます。またそういった視点についても研究してまいりたいと思います。

 

内堀教育長
 他はいかがですか。よろしいでしょうか。
 それでは、教育長報告事項(6)を終了します。
 次に、教育長報告事項(7)「県立歴史館秋季企画展『信州やきもの紀行』の開催について」、岡田文化財・生涯学習課長から説明をお願いします。

 

岡田文化財・生涯学習課長
(資料説明)

 

内堀教育長
 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がありましたら、発言をお願いします。よろしいでしょうか。
 それでは、以上で教育長報告事項(7)を終了いたします。
 続いて、その他に入ります。
 その他(1)「特色ある学びに関する取組紹介」として、「学校×KDDI共創プロジェクト」と「『信州つばさプロジェクト』県企画プログラム」について、臼井学びの改革支援課長から説明をお願いします。

 

臼井学びの改革支援課長
(資料説明)

 

内堀教育長
 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がありましたら、発言をお願いいたします。
 塚田委員、どうぞ。

 

塚田委員
 「信州つばさプロジェクト」に関しては、学びの改革支援課の臼井さん、ありがとうございました。プレゼンをしていただけるということで感謝を申し上げます。
 以上です。

 

内堀教育長
 ありがとうございました。
 他はございますか。よろしいですか。
 それでは、以上でその他(1)を終了します。
 以上で公開による審議を終了いたします。
 非公開の審議に入る前に、令和3年12月から1期1年10か月の間、教育委員として長野県教育に大変御尽力いただきました荒川委員が、本日をもちまして任期を満了し御退任されます。
 荒川委員から一言御挨拶をお願いいたします。

 

荒川委員
 お時間を頂戴いたしましてありがとうございます。
 令和3年の12月から、前教育委員の荻原健司さんから引き継ぎまして、1年10カ月という間、教育委員という立場で活動させていただいてきました。
 第1回目から、年齢や性別や立場や経験や専門分野を超えた発言を自由にさせていただいたということは、本当に私にとって心理的安全性を保っていただいたことは、こちらにいらっしゃいます教育委員の皆さんのお人柄であったり、また、事務局の皆さんの温かい御支援やきめ細やかな御配慮によるものであったと改めて感謝申し上げます。
 これからもさらに長野県教育が、子どもたちが無限の可能性を信じて、未来に向けて明るい希望を持って進めるようなものでありますように、私も大変微力ではございますが、これからも自らの活動を通じて成長と貢献を繰り返しながら、皆さんとともに、また立場は違っても一緒に盛り上げていきたいと思っております。
 本当に皆さん、ありがとうございました。

 

内堀教育長
 私からも御礼を申し上げたいと思います。どうぞおかけください。
 荒川委員におかれましては、総合型地域クラブの実践者として、現在もお題になっていますけれども、中学校の部活動の地域クラブへの移行をはじめとしてスポーツの関係を中心として、様々な御意見のみならず御提案もいただきまして、本当にありがとうございました。また、例えば学校と家庭の関係性や在り方ですとか、あるいは再編の折の地域との連携の重要性とか、保護者のお立場からも非常に示唆に富んだ御発言をいただいたと思います。
 のみならず、今、様々な点から自由にとおっしゃっていただきましたので、本当に様々な御意見をいただきましてありがとうございました。加えて、いつも前向きでにこやかで、本当に穏やかなお人柄で、接するたびに我々も元気や勇気、励ましをいただいてきたと思っています。
 本日をもちまして任期満了で御退任となりますけれども、引き続きぜひ教育委員会へ御指導、御支援をいただきますようにお願いを申し上げます。
 本当にお疲れさまでした。また、ありがとうございました。
 それでは、これから非公開の審議に入りたいと思いますので、恐れ入りますが、傍聴人の方は退室をお願いいたします。
 

お問い合わせ

教育委員会 

電話番号:026-235-7421

ファックス:026-235-7487

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