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更新日:2021年11月29日
(19)台風第7号・8号(平成10年9月21日~22日)
被害地域
県内全域
被害状況
人的被害(人):負傷10
住家被害(棟):全壊2/半壊12/一部損壊413/床下浸水27
家族の中で避難路や避難先の確認を
木曽郡木曽福島町T.Sさん(当時40歳・役場職員)
平成10年9月の台風、一番ひどかったのは風による被害でした。特に町内の「杭の原区」が大変でした。ここには町民体育館があるんですが、その屋根が飛ばされてしまったんです。あのあたりは、民家の屋根の瓦も飛ばされたり、めくれあがったりしていたようです。
私は当時、町の消防防災係長でした。平日で役場におりましたので、ニュースで台風の情報を得ながら、どうするかということで対策を協議していました。消防団もすぐに対応できるようにはしていたと思います。実は、その年よりさかのぼること20年ほど前の昭和58年、木曽福島町はやはり台風で、家が流されるなど大きな被害を受けているんです。平成10年のものは、そのときに比べれば大きな被害が無かったというのは幸いでした。
雨風が次第に強まっていき、ピークとなったのは午後6時頃でした。風で木が倒れ、国道361号をふさいでしまったということで、建設事務所のほうで除去作業をするとともに、私たちは通行する車に、通行止めを知らせてまわりました。ほかにも何か所か倒木や電柱が倒れたところもあり、復旧作業がただちに行われましたが、完全に復旧したのは翌日になってからでした。あのときは、消防団によって土のうが積まれるなど水防活動も行われました。
昭和58年の、いわゆる「58災害」のときは、床上・床下浸水の被害がありました。木曽福島町は、町の中を木曽川が流れているんですが、川幅は狭く、山が深いため、地形的にも川が荒れる要素があるうえに、近年では河原やがけの部分が造成され宅地になったり道路が通ったりしているわけです。今後、水害など災害に対して、町民一人ひとりの備えが大切だと思います。特に、川が荒れて土石流や鉄砲水などの被害が想定される地域に住んでいる方は、いざというときの避難路を確保しておくことは大切です。
この地域は、これまで大きな災害にあったという経験がないんです。私自身、体験した大きな災害といえば58災害ぐらいでしょうか。隣の王滝村で死者を出した長野県西部地震のときも影響がなかったんです。だからといってはいけないのですが、かくいう私の家でも、備えが十分とはいえません。
災害にあったとき、とにかく大切なのは命を守ることです。もちろん地域の公民館や学校など避難場所は決まっていますが、各家でもいざというときの避難路や避難場所については家族で話し合い、確認をしておいたほうがいいと思います。
教訓
伝えたいこと
日ごろから、家族間で避難路や避難先を確認しておく。
◆とにかく大切なのは、命を守ること。
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