ホーム > 環境部 > 主要穀物の土壌肥料に関する試験研究

ここから本文です。

更新日:2020年3月18日

農業試験場

主要穀物の土壌肥料に関する試験研究

水稲、麦、大豆など主要穀物の土壌・肥培管理についての研究を行っています。これまでの高収量を目指した施肥技術から、大規模経営体でのニーズが高い省力化、低コスト化を目指した研究にシフトしています。

一方、環境に配慮した施肥法(例えば、水稲を植えた株付近に施肥することで通常の全面施肥より20~30%の減肥が可能になります)や、地域の未利用有機物の肥料としての有効利用についての研究も行っています。

 

 

小河原ほ場

 

八重森ほ場

 

堀金の現地試験圃場

 

 

現在取り組んでいる試験研究課題

低コスト・高収益の水田輪作体系の確立

大規模経営体をモデルにした、高性能機械を有効に利活用した低コスト、高収益の水田輪作体系を目指しており、(国研)中央農研センター北陸研究センターを中心に、北陸4県と長野県で共同試験を実施しています。

土壌肥料分野では水田輪作体系における水稲の直播栽培の施肥体系、麦、大豆における適切な肥培管理技術について検討しています。

 

 

エアーアシスト播種機を用いた水稲直播試験

 

直播圃場の発芽の様子

発芽率確保のための土壌管理が重要

気象変動が水稲に及ぼす影響評価と対応技術の開発

地球温暖化が地力窒素*発現量や水稲の養分吸収、生育、収量に及ぼす影響を調べています。また、温暖化に対応した土壌、肥培管理技術の開発を目指しています。

 

 

温暖化を想定しハウス内で稲を育てる

 

温暖化による地力窒素への影響

温暖化による地力窒素への影響(平成22年地力窒素発現量の推移)

この年、地力窒素*の発現量が多く、各地で水稲の倒伏が問題になりました。

 

地力窒素とは土壌中の有機物が土壌微生物によって分解される過程で生じる窒素のこと。化学肥料のように効き目は早くないが、じわじわと土壌中にでて植物に利用される。気温が高いと微生物の活動が活発になるため、窒素量は多くなる。

有機物の連用が米の品質に及ぼす影響

堆肥等の施用が米の食味・品質に及ぼす影響を調べるとともに、品質を高める肥培管理方法を検討しています。

 

 

成分分析

米の食味・品質関連の成分分析

 

稲わら連用

稲わら連用の効果

 

各種有機物の肥効解析

各種有機物の肥料効果の特性を明らかにし、有機物を活用して化学肥料(窒素、リン酸、カリ)を削減した環境に優しい施肥法の開発を行っています。

 

 

有機物長期連用圃場

有機物の長期連用ほ状の堆肥施用

 

肥効遅延

肥効遅延による未熟粒

 

 

 

肥効調整型肥料を用いた効率的施肥

温暖化に対応した全量基肥施肥、疎植栽培等において肥効調整型肥料を利用した効率的施肥法の開発を行っています。

 

 

地力窒素による倒伏

温暖化に伴う地力窒素の影響で

倒伏が増加

 

疎植栽培

疎植栽培圃場の

田植え後の状況

 

麦の省力低コスト施肥技術の確立

高品質麦生産のための肥効調節型肥料を用いた施肥技術(追肥1回施肥、全量基肥施肥)を開発を進めています。

 

 

麦追肥用肥効調整型肥料

麦追肥用肥効調節型肥料の

埋込み試験

 

全量基肥施肥

全量基肥施肥した小麦の成熟期

 

新肥料・新資材の肥効試験

新しく開発された各種新肥料・土壌改良資材の肥料効果及び特性を調べるとともに、最適な利用方法を検討しています。

 

 

代かき

区画ごとの植代かき

 

施肥試験

施肥試験の水稲生育調査

 

近年の主要な研究成果

  • 小麦における肥効調節型肥料を用いた追肥全量1回施肥法(平成26年度、普及技術)
    速効性窒素肥料としてリニア型15日タイプの肥効調節型肥料(被覆尿素肥料)を窒素で1時01分に配合した肥料を越冬後に追肥する施肥法は、2回目の追肥を省略しても慣行と同等の収量、品質が得られる省力的な施肥法である。
  • 「コシヒカリ」の白未熟粒は穂肥を1~2週間遅らせることにより発生率が低減できる(平成26年度、試行技術)
    「コシヒカリ」において出穂後の高温により発生する白未熟粒は穂肥を1~2週間遅らせることにより発生率が低減できる。
  • 土壌窒素無機化量の推定に基づく水稲窒素吸収傾向の把握と応用(平成24年度、技術情報)
    反応速度論的手法を用いて土壌窒素無機化量を推定することにより水稲の窒素吸収の傾向が把握可能である。また、近年の温暖化条件では無機化量、発現時期によっては倒伏等がかなり発生し、無機化量の過度な増加は作柄にマイナスとなる場合がある。
  • きのこ廃培地(オガクズ)堆肥の含有成分を考慮した水稲施肥(平成23年度、普及技術)
    オガクズを原料にしたきのこ廃培地堆肥を水田に春施用した場合の含有窒素の肥効率は20~30%に評価できるほか、含有リン酸についても60~70%に評価可能であり、500~1,000kg/10a施用ではリン酸肥料は無施用で栽培可能である。
  • 大麦における肥効調節型肥料を用いた全量基肥施肥法(平成23年度、普及技術)
    速効性窒素肥料とシグモイド型30日タイプの被覆尿素をN1時01分で配合した肥料を用いた大麦の全量基肥施肥は省力的で春作業の集中回避に有効な施肥法である。
  • 全量基肥法により栽植密度と施肥量を変えて水稲を栽培した時の生育と収量(平成20年度、技術情報)
    全量基肥施肥法で栽植密度を減らして水稲を栽培すると長稈化し、茎の分げつ様相も標準植えとは異なる。面積当たりの穂数は減少するが、1穂当たりの籾数が増える傾向がある。また、疎植栽培において基肥を15~20%程度減肥しても収量はほぼ同等であった。
  • キノコ廃培地(コーンコブ)堆肥のリン酸分を利用した水稲栽培(平成20年度、技術情報)
    リン酸化学肥料の代わりに比較的リン酸含量の高いキノコ廃培地(コーンコブ)堆肥を500~750kg/10a施用して水稲を栽培しても慣行と同等の収量が得られる。
  • 有機質肥料を用いて育苗した水稲苗の形質(平成18年度、技術情報)
    無肥培土に有機質肥料を混合した培土でプール育苗したときの苗の草丈、窒素吸収量等の形質を肥料の種類、量、培土への混合時期等で比較すると、それぞれ違いが見られる。
  • 水稲湛水直播栽培における被覆尿素を用いた全量基肥施肥法(平成15年度、普及技術)
    水稲湛水直播栽培における全量基肥栽培は、リニア型70日タイプとシグモイド型100日タイプの被覆尿素を配合した肥料を用い、慣行分施より20%減肥することにより同等の収量・品質が得られ、同時に施肥の省力化が可能である。
  • 速効性窒素肥料とシグモイド型被覆尿素を組み合わせた水稲の全量基肥施肥(平成12年度、普及技術)
    シグモイド型100日タイプ程度の被覆尿素を基肥時期に施用すると、慣行の穂肥時期に急速に窒素が溶出する。そこで、穂肥窒素量をこれで代替して慣行の基肥に配合して全量基肥施肥を行うと、慣行と同等の収量・品質が得られるとともに施肥の省力化が図られる。
  • 高冷地における水稲の全量基肥施肥法(平成11年度、普及技術)
    高冷地において、慣行の穂肥窒素量をシグモイド型60~80日タイプの被覆尿素により基肥に配合して全量基肥施肥をすると、施肥の省力化が図られるとともに、慣行と同等の収量・品質が得られる。
  • 水田施用稲わらの腐熟促進に石灰窒素を施用した場合には施肥窒素を減肥する(平成10年度、普及技術)
    従来は水田施用稲わらの腐熟促進に石灰窒素を施用しても次年度の施肥窒素を減肥しなかった。しかし、環境保全型施肥技術としては10a当たり石灰窒素を20kgにつき水稲の基肥窒素1kgを減肥する。
  • 本田の窒素施用の省力と減肥ができる水稲育苗箱窒素全量基肥施肥法(平成9年度、普及技術南信農業試験場と共同開発)
    水稲の育苗箱へ基肥窒素を被覆尿素で全量施用する施肥法は、本田施肥する窒素を全く省略することが可能で、慣行の全面全層施肥に比べて施肥窒素量を3割減肥できる環境にやさしい施肥法である。

お問い合わせ

所属課室:長野県農業試験場 

長野県 須坂市大字小河原492

電話番号:026-246-2411

ファックス番号:026-251-2357

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?