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更新日:2021年3月31日

第1057回長野県教育委員会定例会会議録

1日時

令和元年(2019年)11月11日(月曜日)

午後1時から午後2時35分まで

2場所

教育委員会室

3議題

 

○議題

議第1号令和元年11月県議会に提出される予定の議案に対する意見について

議第2号職員の処分について

議第3号教育職員免許法施行細則の一部を改正する規則案について

議第4号令和2年度長野県立高等学校生徒募集定員について

議第5号県立高校における校長職の再任用の試行について

 

育長報告事項

(1)自校の児童・生徒へのわいせつな行為に係る検証報告書について

(2)令和元年度発達障がいに関する実態調査の結果について

(3)平成30年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果について

 

4出席者

○教育長

原山隆一

 

○委員

委員矢島宏美

委員荻原健司

委員塚田裕一

委員中澤眞弓

 

○その他

轟教育次長、三輪教育次長、内堀高校改革推進参与、尾島教育参事兼教育政策課長、

北村参事兼義務教育課長、塩野参事兼高校教育課長、坪井特別支援教育課長、

佐倉参事兼学びの改革支援課長、松村心の支援課長、小林文化財・生涯学習課長、

神田参事兼保健厚生課長、内山参事兼スポーツ課長、越国体準備室長

 

会議録

 

原山教育長

ただ今から、第1057回教育委員会定例会を開会いたします。

初めに、本日、伏木教育長職務代理者から所用のため欠席する旨の報告がありました。過半数の委員の出席を得ておりますので、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第14条第3項の規定によりまして、本会議は有効に成立していることを申し添えます。

本日の審議事項中、議第1号「令和元年11月県議会に提出される予定の議案に対する意見について」は、成案となる前の内容について審議検討する案件、また、議第2号「職員の処分について」は、特定の個人に関する情報が含まれている案件です。つきましては、議第1号、議第2号を非公開とすることが適当と思われますが、ご異議ございませんか。

 

全委員

議なし。

 

原山教育長

ご異議ございませんので、議第1号、議第2号は非公開とすることに決定しました。なお、これらの案件につきましては、本日の最後に審議することといたします。

それでは議題に入ります。議第3号「教育職員免許法施行細則の一部を改正する規則案について」、塩野高校教育課長から説明をお願いいたします。

 

塩野高校教育課長

(資料説明)

 

原山教育長

ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたら、発言をお願いします。

よろしいでしょうか。それでは、議第3号を原案どおり決定したいと思いますが、ご異議ございませんか。

 

全委員

異議なし。

 

原山教育長

ご異議ございませんので、原案どおり決定いたします。

次に、議第4号「令和2年度長野県立高等学校生徒募集定員について」、塩野高校教育課長から説明をお願いいたします。

 

塩野高校教育課長

(資料説明)

 

原山教育長

ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたら、発言をお願いします。

よろしいでしょうか。それでは、議第4号を原案どおり決定したいと思いますが、ご異議ございませんか。

 

全委員

議なし。

 

原山教育長

ご異議ございませんので、原案どおり決定いたします。

次に、議第5号「県立高校における校長職としての再任用の試行について」、塩野高校教育課長から説明をお願いいたします。

 

塩野高校教育課長

(資料説明)

 

原山教育長

ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたら、発言をお願いします。

 

矢島委員

ありがとうございます。趣旨のところで、校長先生の再任用の選考基準として、高度な知識や経験があって、学校マネジメントに優れ、意欲ある人材とありますけれども、もちろんとても大切ですが、その上で若手リーダーの育成ができるような校長先生であってほしいなと思います。学校全体の環境を整えたりということは、生徒のためにとても必要ですけれども、やはり若手の方が早くから管理職になれるような人材育成のためにも、ぜひお願いしたいと思います。以上です。

 

塩野高校教育課長

ありがとうございます。ごもっともなご意見だと思っています。若手リーダー、ミドルリーダーの育成については、これまでも力を入れてやってきたところであります。

新たな校長、再任用の校長、あるいは現在の校長職を務める者が、若手リーダーをきちんと育成することについても、高校教育課としてきちんとした取組をしていきたいと思っています。

現在も、若手、女性職員も含めて、教務主任といったところに就けるような形、それから、そういった主任の立場を経験する中で、学校運営全般を分かってもらえるような、そういった取組を進めてきているところでありますけれども、今回の制度にあたってもその点は考慮していきたいと思います。

 

中澤委員

お願いします。高校の在り方や授業の内容を、いろいろな形で新しく考えて進めてきた中で、この選考内容について、何か今までとは違う形は考えられているんでしょうか。

 

塩野高校教育課長

ありがとうございます。具体的な選考基準、要綱等はこれから作成することになりますけれども、内容的なことについては、ここに記載のとおり、やはり高校の学びの改革の推進を含めること、そして再編や保護者との連携も含めて幅広い教育課題に対応できるようなものを、現時点では校長からの自己の書類等を受け付ける中で、面接等も含めて方法を考えているところです。

 

原山教育長

ほかにいかがでしょうか。

よろしいでしょうか。それでは、議第5号を原案どおり決定したいと思いますが、ご異議ございませんか。

 

全委員

議なし。

 

原山教育長

ご異議ございませんので、原案どおり決定いたします。

続いて、教育長報告事項に入ります。教育長報告事項(1)「自校の児童・生徒へのわいせつな行為に係る検証報告書について」、尾島教育政策課長からお願いいたします。

 

尾島教育政策課長

(資料説明)

 

原山教育長

ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたら、発言をお願いします。

 

矢島委員

ありがとうございました。本当に素晴らしい内容になっているなと思います。なかなかここまで分析ができない中で取り組まれたこと、それから報告書としたことが、まずとても効果的な一歩になっていて、素晴らしいと思いました。

この素晴らしい報告書を、そのままでは終わらせず、現実的にどのように活用するかということが、これを出した意味だと思います。活用方法についても、ただ研修をやってくださいということでは、性暴力に対しての理解がないとなかなか難しいということで終わってしまうと思います。ぜひ、本当にかみ砕いて誰もが分かるような研修になっていただきたいなというのが、一点です。

もう一つは、こういうものが出来上がると、何となくチェックするとか管理されるという視点を持ちがちですが、そうではなくて、これを作成した理由が、誰も性暴力の被害者にも加害者にも傍観者にもしないという視点を持っていただければ、この調査報告の意味があるかなというふうに思います。

加害者の先生を糾弾するということではありませんが、学校でわいせつ事案があると、全ての周りの先生たちも本当にモチベーションが低くなってしまいます。一生懸命やっている先生方が、先生という職業に誇りを持って子どもたちの前に立てるように、誰もが性暴力の被害者にも、そして加害者にも、そして傍観者にもしないという視点を持つことで、周りの先生方も早く気付いて、気付いたところですぐ相談が上げられるような、これがみんなで学校が安心できるためのものなんだよという視点を持って伝えていただければ、学校や子どもたちにも、より理解されていくだろうなと思います。以上です。

 

尾島教育政策課長

ありがとうございます。学校現場と一緒になってこれをどうやって徹底できるかというのは工夫してまいりたいと思っています。

いずれにしても、チームとしての学校をどうつくり出すかというところは、大変大事な視点だと思いますので、私たちも工夫しながら取り組んでまいりたいと思っているところです。

 

荻原委員

報告書を拝見させていただいた感想になりますが、学校現場あるいは先生方に対する社会の期待というのは非常に大きいですし、一方で社会の目も厳しくなっているという状況はあると思います。

そのような中で、報告書の中に、問題行動が起きるプロセス、4つの壁があって、一つ一つ越えていった最後にはということだと思うんですけれども、やはり最初の動機の壁というのをまず越えないための対策というのも必要なんだろうと思います。その中で研修という話もありましたけれども、この動機の壁は、資料の11ページを読ませていただくと、やはり例えば仕事が忙しい、誰も助けてくれない、なかなか評価もされない、家庭でもちょっと問題があったりという、そういう満たされない気持ちが、ある種の出発点というようなことが書かれています。やはり私たちが期待したいのは、これから働き方改革の中で先生方に時間的な余裕ができてくることで、この問題対策の一つになっていけばいいなと思います。

また、学校の現場で何か問題が起きると、先ほど矢島委員さんのお話のように、全員で研修を受けなければならなくなったりという、それもまた一つの負担にもなっていくのではないかと思います。必要なことは必要だと思いますが、ただ、やはり先生方一人ひとりのメンタルヘルスというんでしょうか、一人ひとりが幸福感を持って充足感を持って仕事ができるように、先生方それぞれに対するカウンセリングのようなことが非常に重要ではないかなと思います。

先生はとにかく研修をして頑張れという雰囲気ではなく、先生も現場を預かる一人の人間として、先生方の心の疲れをどういうふうに取り除いていくかが、まずそもそもの最初の壁を越えないための対策の一つにもなるのではないかと、感想ですけれども、そんなことを思いました。以上です。

 

尾島教育政策課長

ありがとうございます。一人ひとりの先生、これを大切にするという学校での雰囲気づくりが大事だと思いますので、私どもも心して取り組んでいきたいというふうに思っております。

 

塚田委員

質問も含めてですが、5ページの懲戒処分の件数とわいせつな行為等全体の状況というのは、この中身は若干違うのでしょうか。

 

尾島教育政策課長

今回は14件の懲戒処分を分析させていただきましたので、加害者の(1)の懲戒処分の状況につきまして、それぞれ14件の主な内容をここに記載しております。

 

塚田委員

ありがとうございます。4ページの(2)わいせつな行為等に係る懲戒処分等の対教職員数割合を見ると、平成29年度は0.01%で、1万に1人ということですよね。私はこういうものは、分析することは非常に素晴らしいと思いますが、分析していただいたことで、これが本当に効果を現すというのはなかなか難しいと思います。1万人に1人、その特定の人がどういうふうに考えるかという大変難しいものをゼロにしようとしているということだと思いますが、教員としての道徳的観念というのが大事になってくるのではないかと思っております。以上です。

 

原山教育長

5ページの(1)にあるのは、参考の欄がわいせつ行為等の全体の件数ですよね。その上にあるのは、そのうち自校の児童・生徒に対するわいせつ案件が何件という、この表ですね。そういうことで、今のご意見に対してお願いします。

 

尾島教育政策課長

いずれにしましても、こういう懲戒処分があっていいということではないので、私どもとすると、これについては真摯に向き合って、ゼロになるようにこれからも取り組んでいきたいというふうに思っているところです。

 

原山教育長

ほかにいかがでしょうか。

よろしいでしょうか。それでは、以上で報告事項(1)を終了します。続いて、教育長報告事項(2)「令和元年度発達障がいに関する実態調査の結果について」、坪井特別支援教育課長から説明をお願いいたします。

 

坪井特別支援教育課長

(資料説明)

 

 

原山教育長

ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたら、発言をお願いします。

 

矢島委員

ありがとうございました。まず一つとして、診断を受けた児童・生徒さんがこれだけ増えているということで、診断名が付いていない児童・生徒さんもかなり大勢いるかと思います。ですから、学校現場ではこの数字よりもかなり多く、似たような、また重複しているような児童・生徒さんがいるかと思います。支援の方法が強化されていって、全ての子どもが安心して過ごせるような学校づくりをお願いしたいと思います。

その中で、5ページに支援について書かれていますけれども、学校・家庭・医療の、つなぎ役の人がいない、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの存在ももちろんとても大切なんですけれども、発達障がいのことをよく理解している学校・家庭・医療と、全てをつなぐ真ん中のつなぎ目役になる肝心な人がいないとなかなか分断されてしまいます。

えば支援会議というふうにやっても、誰が中心となってどのような人とつながって、それを2~3年ずっと継続して途切れないようにやっていく、その子とずっと関われる人、中心になる人を育てていく、そのネットワークづくりが重要になってくると思います。

この5ページのところ、誰がやるのかというところについて、できたら私は教育相談の方がもっとここに入っていただきたいと思いますし、その方たちの今担っている役割はかなり重要で、専門性も持っていらっしゃる方が多いと思いますので、そういった方の役割の重要さと、それからその立場であったり、そういう専門性のある人を増やしていって、チームの学校となるような、そういうつなぐ人の存在というのが必要になってくるかなと思いました。以上です。

 

坪井特別支援教育課長

ありがとうございます。おっしゃるとおりでございまして、連携がこれから非常に大事になってきます。学校現場におきましても、いろいろな専門分野等の方との連携をしまして、個々の特性に応じて対応をしていくということです。

それから今現在、学校におきましては、特別支援教育コーディネーターという方が各機関とのつなぎ役ということで位置付けられておりまして、当課としましても、この特別支援教育コーディネーターの専門性なり包括性を上げていくことが大変重要な課題と考えております。今年度もやっておりますが、中核的な特別支援教育コーディネーターの養成という観点で、今後ともつなぎ役の専門性なり、役割の強化を図っていきたいというふうに考えております。以上でございます。

 

矢島委員

ありがとうございます。特別支援教育コーディネーターが各学校にいらっしゃいますけれども、その特別支援教育コーディネーターももちろんとても大切だと思っています。ただ、特別支援教育コーディネーターがずっと継続して学校にいることはなく、いろいろな学校に異動したりして、異動した先では特別支援教育コーディネーターではなくなってしまうということも現実には起きています。

ですから、特別支援教育コーディネーターを養成する特別支援教育コーディネーターさんがいて、その人たちの専門性をより高めていくような、さらにスーパーバイズするような人が学校現場では求められていると思いますので、みんな横並びでいるのではなくて、より専門性の高い人の立場をつくっていってほしいなというふうに思います。

 

坪井特別支援教育課長

ありがとうございます。そういった視点で今後ともやっていきたいと思います。

今現在やっておりますのも、各校の特別支援教育コーディネーターにつきましては、基礎的な研修や事例研修をしております。それを指導・支援をする地域の中核的なコーディネーターという方も、今まで経験があった方を対象に、より支援・指導力を高めるための研修も始めたところでございますので、今ご指摘のありましたスーパーバイズ的な存在になるように、今後とも取り組んでいきたいと思います。以上でございます。

 

中澤委員

お願いします。「多様性を包み込む学びの場」というのが、最近本当によくいろいろなところで話されるんですけれども、何なんだろうということをずっと考えています。

発達障がいのある子どもたちをたくさん見てきていて、仲間の中で変わっていくことというのは本当に多いなと思っています。先生が何かしていくというよりも、その子を巻き込み、いわゆる「普通」だと言われている子どもたちも巻き込み、その子自体が変わっていくことを、やはり一つのチームとして大事にしてほしいということを感じています。

特性のある障がいもいろいろありますけれども、やはりその子を本当に理解するというのは、いわゆる普通児と言われている子もみんな同じだと思うので、その辺りの専門性は必要なところはありますけれども、一人ひとりを理解するということからいけば、これは普通の日常の中でも何も変わらないんじゃないかという感じがしています。

昔と違い、いろいろなことが複雑になってきていて、いろいろなことが語られるので、保護者の方もやはり不安な部分もすごくあると思います。特殊なところに任せていくことも、専門的な知識を得る、専門的に学ぶということはすごく大事ですけれども、ぜひこの辺りを全部受け止めつつ、普通の子どもたちと一緒にこの子たちが変わっていくことを大事にできる、「多様性を包み込む学びの場」ができていったらいいなという感想です。

 

坪井特別支援教育課長

ありがとうございます。まさしくおっしゃられるとおりでございまして、教員の専門性ですとか、指導・支援力の向上と書いてあるんですけれども、その中で最初はやはり教職員なり地域の皆さま方、保護者各位の理解の促進が大事だということで、児童・生徒の個々の特性や発達障がいに関することの理解の促進をまずはやっていこうと思っています。その後で、専門性の向上やチームとしての支援、外部との連携を図っていくということで、まずは理解を浸透し、通常学級におきましても、ちゃんと包み込みながら対応できるような体制を取っていきたいと考えております。以上でございます。

 

中澤委員

一人ひとり、大事な人生がかかっている子たちがたくさん目の前にいて、大変なんだけれども、そのこともひっくるめて、教職員のチームワークもそうですが、教職員が面白がる、楽しむといった感じの学びをしながら、子どもも大人も変わっていけたらいいのかと思います。肩肘を張らない研修とか、肩肘を張らないで目の前の子どもたちと向き合うような、そんな面白さができたらいいなと思っています。

 

原山教育長

一つご報告ですが、先月、東京の世田谷区立桜丘中学校というところに、この辺のメンバー何人かで行きました。麹町中が脚光を浴びていますけれども、実はもう一方、知る人ぞ知る挑戦的な学びを実践している学校でありまして、西郷校長先生は9年ずっと校長をされていて、実現に向けて頑張ったこと、彼の学校の最上目標は、みんな誰もが3年間楽しく学校生活を過ごすことだと。従って、1人でも楽しくないという子がいたら、みんなで一緒に考えようということだそうです。

その中で、発達障がい、LDの子がいて、その子がiPadを使いながら授業をやっているときに、その子を特別扱いするのではなく、みんなで、一体その子はどういう見え方をしているのか、どういう感じ方をしているのかを先生も子どもたちも一緒に考えて、理解したと。そこから発達障がいに対する理解が一気に学校内に浸透してという、そういう在り方が一つの方向性としてやはりあるんだろうなということを、私どもも行ってつくづく感じました。

それが多様性を認め合ったり、あるいは包み込んだりということの実践だろうというふうに思いますので、そんなこともご報告したいと思います。

ほかによろしいでしょうか。

 

矢島委員

診断とかそういうことももちろん必要だと思うんですけれども、私はそれも含めた全て、その子をつくり出すその子自身というところで、どういう診断を持とうと、生きづらさを感じていなければいいと、その子の人生を歩んでいけたらいいなと思います。同じ診断であっても、生きづらさを感じている子どももいれば、全く生きづらさを感じていない子どももいると思いますので、その子自身が生きづらさを感じないような合理的配慮であるとか、それによって二次障がいにならないような支援が必要になってくると、お二人の話を聞いていて思いました。

 

原山教育長

ありがとうございました。

それでは次に、教育長報告事項(3)「平成30年度『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』の結果について」、松村心の支援課長から説明をお願いいたします。

 

 

松村心の支援課長

(資料説明)

 

原山教育長

ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたら、発言をお願いします。

 

矢島委員

ありがとうございました。何より、不登校に対しての捉え方が認識と大きく変わったことが本当に素晴らしいなと思います。特に、当事者の視点に立ったアンケートを取っていただいたこと、かなり大きな一歩だと思います。この結果によって課題が見えてきて、そしてどのように取り組んでいったらいいのかなということがいろいろ見えてきたと思いますので、これを機会に大きく前進できることを期待しています。

それから、一つ懸念しているのが、中途退学者についてです。割合ではなく、人数的に見ると、この616人という高校の中途退学者が出ていることで、もちろん進路変更等、学校で属するところがあればいいのですが、この中で何人の方が学校から社会に放り出されて、それぞれの人生を歩んでいく中でどうやって生きていくんだろうなというのを少し懸念します。

いろいろな問題行動があった生徒さんもいるかと思いますけれども、退学する前にさまざまなSOSを出していて、それを例えば加害行動だけに視点が行ってしまうと、この子は困った子で、もちろん学校からいなくなったほうがというようなところとか、その後のことを考えると、大人から見捨てられたとか、大人への不信感や憎しみを抱いたまま社会人となって、これから生きていくのに暴力の再生産にならなければいいなというふうに思っております。

ですから、できたら属する場所があって、そして自分が学びたいと思うところで何とか卒業できるような形をとれるよう、もちろんさまざまな方法があるかと思いますけれども、特に問題行動を起こしてしまった子どもたちに対して、何とかもっと退学にならないような方法を、私たち大人の責任として連携しながらやっていただけたらいいかなというふうに思います。以上です。

 

松村心の支援課長

ありがとうございました。不登校については、子どもたちの気持ちを聞いてみて、これだけアンケートの中で差異があったという中で、子どもの目線に立った指導を学校にも求めていきたいと考えております。

また、高校の中途退学の問題ですが、中学校から高校に進学をする段階で合わなかったという子どもも中にはいますし、矢島委員がご心配されている問題行動を起こしてということもありますが、高校現場では何とか学びにつなげたいということで、退学という形にはできるだけしないようにという努力はされております。

辞めていった子どもたちについては、放り出してしまうのではなく、2年間追跡調査をしておりますので、引きこもりにつなげないように、学校現場で努力するよう伝えていきたいというふうに思っております。

 

中澤委員

お願いします。いじめも暴力も不登校も、本当に根にある原因は、安心感が持てないとか、自分が好きになれないとか、自己肯定感が低いとか、きっと一緒なんじゃないかなと思っています。その点からいくと、生きる力の根っこを育む幼児教育の問題というのは、やはりここで大きいものになってくるだろうなと思っていて、一つは幼児教育に関わる方たちが、もっとこの辺りを考えていかなければならないのではないかと思っています。

もう一つは、10月の総合教育会議でも出ていたんですけれども、学校そのものを変えるということです。策定委員会ができましたが、基本方針の取りまとめが3月という状況ということで、私はもっと早く具体化して、現場でもっと変えていく仕組みみたいなものが、すぐ動き出せるようなものができないかと思っています。子どもたちにとって、勉強が分からないで1日学校に座っているというのは、本当に苦痛だと思うんです。その辺りも含めて、学校そのものを変えていくことが、策定委員会とは別に、具体的に動き出せる方法というのはないんだろうかと、願っています。

 

松村心の支援課長

ありがとうございます。先ほど、矢島委員から「困った子」という言葉が出てきましたけれども、教員から見て「この子、困ったな」という見方ではなくて、その子が困っているという見方が非常に大切です。これは以前からずっと言われていることですが、学校の中で先生方も忙しい状況に追われている中でも、そういったことを意識してもらいながら進めていきたいというふうに思います。

 

中澤委員

それぞれの学校・市町村が、もっと具体的な方法で動き出す方法を考えてほしいというのが一つと、県や市町村で幼児教育について考えていけるような、いろいろな学びができる場がもう少しあったらいいのかと思っています。

 

原山教育長

幼児教育も含めて、学びの改革との関連もあると思いますので、お願いします。

 

佐倉学びの改革支援課長

それでは、私のほうからお願いいたします。今、ご指摘いただきましたように、今回のこの数値等についても、まず幼児教育の会議の中でも扱っていきたいと感じております。

その中で今、中澤委員にご指摘いただきましたように、やはり幼児教育の段階で子どもたちの自己肯定感というのを高めていくために、一つ幼児教育で実戦していただいているような一斉一律、また画一的な教育ではない、先ほども話題になりましたが多様性を包み込むような学びにしていかなければいけないということをしっかりやっていくということと、それを小学校、中学校、高等学校の中でも実現していくということで、学びの改革をしっかり進めていかなければいけないなというふうに思っております。

今回の報告の中にもありましたように、実際不登校数の少ない学校から学ぶべきことは非常にたくさんあるなというふうに思っています。そういった点で、そのような学校をぜひ県としてもスポットを当てて、周りの学校もそういった実践に学んでいけるような施策を私どもの課としてもしっかりとつくっていきたいと思っております。

 

中澤委員

幼児教育と小学校、中学校とをつなぐというところ、連携がすごく大事になってくると思うので、この辺りもぜひお願いしたいと思います。

 

佐倉学びの改革支援課長

その点も非常に課題になっておりまして、幼児教育のほうでさまざまな取組が始まっています。小学校のほうで、しっかりとどのような学びをしてきているのかということを知っていただくようなことを、実践的な研修の中で位置付けていきたいと思っています。そのように育ってきた子どもたちのよさをしっかりと引き継いだ小学校の教育がなされるよう、取り組んでいきたいと思います。その点に関わって、市町村教育委員会とも連携した仕組みをつくってまいりたいと思います。

 

荻原委員

先ほど、教育長から世田谷の桜丘中、そして麹町中のお話も紹介されました。この資料の別冊2ページの点線で囲った3番、不登校生徒が減少傾向にある学校・教育委員会で、担任との関係が円滑でなくても、他の教職員の誰かが関係を築いて良くなったというようなお話が書いてあって、やはり真っ先に浮かんだのが学年担任制です。長野では今、長野市立東部中学校と長野市立櫻ヶ岡中学校がこれをやっておりますけれども、私個人的には、学年担任制というのは今後増えていくのではないかと思っています。校長先生の取組や生徒から実際に話を聞き、今後こういうことがもっと広がればと思っております。

それが、こういった不登校児童生徒を減らしていくことにもつながっていくのかなと思いますし、先ほど教育長がおっしゃったような、子どもたち同士で助け合って、もっとみんなで良くなっていこうという雰囲気はやはり東部中学校にも見られました。その一つが、不登校生徒に対する減少にもつながるところに期待されるのではないかと思います。

これで1年たって、ぜひ教育委員会におかれては分析をしていただいて、今後の取組に生かしていただきたいと考えております。以上です。

 

松村心の支援課長

ありがとうございます。こういう不登校だけの取組ではなくて、例えば問題行動を起こした子どもたちが先生方と話ができないというケースというのはよくあります。そのときに、担任の先生とはうまくいかないけれども、この先生だったら話ができるという人を探して、その先生から話をしてもらって、理解していってもらうという取組はずっとやってきておりますので、いろいろな場面で、人間関係をうまく構築していくという部分については、不登校についてもいじめについても、全てのことについて活用していきたいというふうに考えております。ありがとうございました。

 

原山教育長

ほかにございますでしょうか。

よろしいでしょうか。それでは、教育長報告事項(3)を終了いたします。

以上で、公開による審議を終了いたします。これから非公開の審議に入りたいと思いますので、恐れ入りますが、傍聴人の方は退出をお願いいたします。

 

 

 

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