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更新日:2013年6月23日

浅川ダムに関する疑問にお答えします。(1)

(当ページは作成途中段階のものであり、今後も質問項目や関連情報を追加していく他、適宜文言の修正があることをご了承ください。)

1.浅川ダムの必要性


1-1.浅川ダムはなぜ必要なのですか?

1-2.最近浅川は溢れていません。ダムはいらないと思います。

1-3.基本高水流量450立方メートル/sが大きすぎるのではないでしょうか?

1-4.新政権は「ダムによらない治水対策」に方針転換しているのに、なぜダム建設にこだわるのですか?

1-5.新政権は「ダム事業を再検証するための基準作り」を行っています。その新基準に基づいてダムを再検証するべきではないでしょうか。

1-6.浅川ダムの費用対効果はいくらですか?

1-7.長野県内でダムが下流域の洪水被害を防いだ事例がありますか?

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1-1.浅川ダムはなぜ必要なのですか?


○浅川は長野市の新興市街地を流れ千曲川に合流する中小河川ですが、その延長は短く流れは急峻で、さらに改修事業着手以前は天井川であったことなどから、水害が頻発していました。また、流域では近年都市化が進展し、ひとたび河川が氾濫した時の想定被害は甚大なものになっています。
また、平成21年には本県の諏訪市で時間雨量118mmという集中豪雨が発生したように、近年全国各地でゲリラ豪雨と呼ばれる豪雨が頻発しており、浅川流域の治水対策が急務となっています。
このため、河川管理者である県は、浅川流域住民の生命・財産を水害から守るため、治水安全度を県内他の似たような流域と同様1/100と定め、森林整備や遊水地、ため池利用などダムによらない対策も含め様々な治水対策を、住民参加のもと立案・検討し、現在の「河川改修」+「治水専用ダム」を組み合わせた対策が、最も低コストで実施できる対策であり最適であるという判断に至りました。
県では、現在浅川の改修事業を鋭意進めておりますが、浅川ダムについても早急に建設し、地域の安全・安心を確保する必要があると考えております。

 

参考:浅川の治水対策の検討経過について(PDF:745KB)


※治水安全度1/100とは
治水計画(100年に1回程度の確率で発生すると予想される降雨により生じる洪水に対応する計画)における河川の安全の度合い。

 


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1-2.最近浅川は溢れていません。ダムはいらないと思います。


○浅川流域は住宅が密集しているため、ひとたび氾濫を起こすと、その被害は甚大となることから、浅川の治水対策については、治水安全度1/100、千曲川との合流点で基本高水のピーク流量450立方メートル/s(想定している洪水)に対応するよう、「治水専用ダム(100立方メートル/s分に対応)」と「河川改修(350立方メートル/s分に対応)」により計画しております。
浅川については、以前は天井川であり、洪水被害が頻発していました。しかしながら、現在、河川改修(天井川の解消と流下能力350立方メートル/sの確保)を進めてきており、全体改修延長12.2kmのうちおおむね11.5km、率にして約9割が完了しております。このため、近年は浅川が溢れるような被害は幸い発生しておりません。
しかしながら、現時点では浅川ダムが完成していないことから、浅川で想定している洪水には対応しておりません。
また、平成21年には本県の諏訪市で時間雨量118mmという集中豪雨が発生したように、近年全国各地でゲリラ豪雨と呼ばれる豪雨が頻発しており、浅川流域の治水対策が急務となっています。
従いまして、想定している洪水から地域住民の生命・財産を守るため、浅川ダムは必要であると考えております。

 


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1-3.基本高水流量450立方メートル/sが大きすぎるのではないでしょうか?


○浅川の治水計画は、過去65年分の降雨データを基に100年に1回程度の確率で発生すると予想される降雨量(130mm/日)を求め、貯留関数法により流出計算を実施して、基本高水のピーク流量を450立方メートル/sと算出しております。これは国土交通省が定めた「河川砂防技術基準」に記載された一般的な手法です。
なお、基本高水ピーク流量の適正さを判断する手法として、比流量(基本高水ピーク流量/流域面積)でチェックする手法がありますが、この手法で県内他河川の比流量との比較を行っても、このピーク流量は妥当なものと判断できます。

※基本高水(ピーク)流量とは
治水計画の対象となる規模の洪水の最大流量です。

※貯留関数法とは
貯留関数法とは、自然流域で起きている降雨から川の流れに至る流出現象を再現する方法で、貯留量と流出量の関係を仮定して、降雨量から流出量を算定する方法です。

 

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1-4.新政権は「ダムによらない治水対策」に方針転換しているのに、なぜダム建設にこだわるのですか?


○県では、平成12年にいったん浅川ダム建設事業を中止し、以降、森林整備、遊水地やため池利用など、様々な治水計画を立案し、「ダムにたよらない治水対策」について、住民参加による議論も含め検討を重ねてまいりましたが、結論には至りませんでした。
こうしたダムにたよらない治水対策を含め、6年にも及ぶ検討の結果、現在実施している「治水専用ダム」と「河川改修」が最も望ましいという判断に至っています。
このように、浅川においては「ダムによらない治水対策」の検討を既に時間をかけて実施していることから、流域住民の安全・安心を確保するため、必要とされた浅川ダムの建設を進めるものです。

参考:浅川の治水対策の経過について(PDF:745KB)


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1-5.新政権は「ダム事業を再検証するための基準作り」を行っています。その新基準に基づいてダムを再検証するべきではないでしょうか。


○県では、浅川ダムについて、6年間もの歳月をかけ、まさにダムに頼らない治水対策も含め様々な検討を行ってきた上で現在の結論に至った経緯があり、いったん再検証を行ったものと考えております。
従いまして、流域住民の安全、安心を確保するため、一日でも早く事業を推進するべきであると考えております。

参考:浅川の治水対策の経過について(PDF:745KB)

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1-6.浅川ダムの費用対効果はいくらですか?


○浅川の治水対策の費用対効果は4.1です。
浅川の治水対策は、昭和52年に国庫補助事業として採択された当時から、ダムと河川改修の組み合わせにより、外水氾濫を防止する計画としており、どちらか一方の整備のみでは、目標とする治水安全度は達成できません。
事業を開始しました昭和52年当時の河道状況を基準とした被害想定の算定結果では、中下流合わせた氾濫想定区域の面積が約2,800ヘクタール、床上床下合わせた浸水戸数が約4万戸との結果となっています。
河川改修とダム建設により、これら計画規模の外水氾濫による被害を防止できる計画となっており、浅川の治水対策における費用対効果(事業効果と事業費の割合)につきましは、4.1との結果となっています。

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1-7.長野県内でダムが下流域の洪水被害を防いだ事例はありますか?


長野市内の中小河川の事例として裾花川の事例、最近の洪水の事例として平成18年の犀川上流ダム群の事例を紹介します。

事例1:裾花川の2ダムによる洪水調節効果(平成7年7月)

○裾花川は“伝説と信仰の山”戸隠山に源を発し、長野市の中心部付近を流下し、丹波島地区で犀川に合流する流路延長約50km、流域面積約280k平方メートルの河川であり、過去において洪水のたびに下流地域に甚大な被害を与えてきました。
特に昭和24年9月洪水の被害は大きく、以降、抜本的な治水対策を目的として、流域の治水安全度を1/100(浅川流域と同じ)と定め、河川改修事業と2つのダム(裾花ダム:昭和45年完成、奥裾花ダム:昭和55年完成、いずれも発電、水道用水の確保も目的とした多目的ダム)の建設を進めてきました。

平成7年7月11~12日の梅雨前線豪雨では、本県北部地域で甚大な被害を受けましたが、裾花川流域でも近年にない豪雨が発生しました。
その時の裾花川流域の平均雨量は、時間最大雨量19.6mm(計画27.0mm)、日最大雨量209.2mm(計画130mm)と、日雨量では治水計画を上回る豪雨となりました。

この時、二つのダムは洪水調節を行い、下流域での洪水氾濫を防ぎました。
裾花川下流の県庁付近では、最高水位の時でも堤防すれすれで流れましたが(写真1-1)、もし両ダムによる洪水調節がなかった場合には、川の水位は実際より90cmほど高くなり、土砂を含んだ洪水が裾花川から長野市街部へ溢れ、大きな被害を引き起こしたものと想定されます。(図1-1)
なお、県庁付近の計画高水流量は600立方メートル/sですが、両ダムがなければ、当該地点のこの時の河川流量は上記流量を大幅に上回る930立方メートル/s程度であったと推定されています。(図1-2,1-3)
(注:930立方メートル/s=推定ダム地点流量860+ダム下流部流入量70)

想定氾濫区域図

図1-1.想定氾濫区域図

裾花ダム洪水調節実績図

図1-2.裾花ダム洪水調節実績図

 

裾花川流量配分図

図1-3.裾花川流量配分図

 

裾花川県庁付近の洪水写真(7月12日)

写真1-1.裾花川県庁付近の洪水写真(7月12日)

事例2:犀川上流ダム群による洪水調節効果(平成18年7月)

○犀川では、平成18年7月18~19日にかけて、流域平均2日雨量が196.3mmとなる大雨がありました。この豪雨により、安曇野市明科にある陸郷水位観測所では、犀川の水位が避難判断水位を超え、さらに水位上昇傾向にあり、犀川が氾濫する危険性が高まりました。

このため、河川管理者である国土交通省千曲川河川事務所では、犀川上流域にある大町ダム(国土交通省管理)や東京電力(株)管理の稲核(いねこき)ダム等5ダム、計6つのダム(図1-5)を連携して特例的な洪水調節を行い、犀川下流部やさらに下流の千曲川の水位上昇を抑えました。
犀川の陸郷地点の最高水位は堤防上面まであと50cmとせまりましたが、上流ダム群の洪水調節効果により約80cmの水位低減効果があったと考えられ、これにより堤防からの越水を免れることができました。(図1-6、写真1-2)

また、さらに下流の中野市内にある千曲川の立ヶ花観測所では、計画高水位まであと7cmまで迫りましたが、仮に洪水調節を行わなかった場合には水位が40cm高くなったものと推定され、この地域の千曲川も危険な状態になっていたと考えられます。(図1-7、写真1-3、1-4)

なお、この洪水では、さらに下流の中野市替佐地区の無堤防地域で、千曲川が氾濫するという被害が発生しました。(写真1-5)当地域でも、もしダム群による洪水調節が行われなければ、さらに大きな浸水被害が発生したものと考えられます。(当替佐地区は、その後の河川改修工事により、平成26年に無堤防状態が解消される予定です。)

 

※避難判断水位とは

河川が氾濫する可能性がある場合に住民が避難を開始すべき水位。(図1-4)

※はん濫危険水位とは

河川が氾濫する恐れのある水位。改修済み区間においては次の計画高水位と同じになる。未改修区間においては計画高水位よりも低くなる。(図1-4)

※計画高水位とは

河川管理上の基準とする水位。目標とする洪水(計画高水流量)をこの水位以下で安全に流下させることができるよう堤防高の設定や、橋梁などの許可工作物設置に際しての基準となるもの。

 

水位の概念図

図1-4.水位の概念図

 

犀川上流ダム群位置図

図1-5.犀川上流ダム群位置図

 

安曇野市明科地区の犀川河川横断図

図1-6.安曇野市明科地区の犀川河川横断図

 

安曇野市明科地区の洪水写真(H18年7月19日)

写真1-2.安曇野市明科地区の洪水写真(H18年7月19日)

 

中野市立ヶ花地区の千曲川河川横断図

図1-7.中野市立ヶ花地区の千曲川河川横断図

 

中野市立ヶ花地区の洪水写真(H18年7月19日)

写真1-3.中野市立ヶ花地区の洪水写真(H18年7月19日)

 

村山橋の洪水写真(H18年7月19日)

写真1-4.村山橋の洪水写真(H18年7月19日)

 

中野市替佐地区の洪水氾濫写真(H18年7月19日)

写真1-5.中野市替佐地区の洪水氾濫写真(H18年7月19日)

 

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建設部河川課

電話番号:026-235-7308

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