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更新日:2024年3月28日
デング熱とは、デングウイルスによっておこる急性の熱性感染症で、このウイルスを保有する蚊に刺されることによって感染する蚊媒介感染症です。ヒトからヒトへは直接感染しません。また、感染しても発症しないことも多くみられます。
主な媒介蚊は、ネッタイシマカ(日本には常在していません。)、ヒトスジシマカ(本州以南に生息)です。
熱帯や亜熱帯の全域で流行しており、東南アジア、南アジア、中南米で患者の報告が多くなっています。
厚生労働省検疫所「デング熱(Dengue Fever)」(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
国立感染症研究所「デング熱とは」(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
2~14日(多くは3~7日)の潜伏期間の後、突然の高熱で発症し、頭痛、眼(か)痛、顔面紅斑、結膜充血を伴い、発熱は2~7日間持続します(二峰性であることが多い)。初期症状に続き、全身の筋肉痛、骨関節痛、全身倦怠感を呈します。発症後3~4日後、胸部、体幹から始まる発しんが出現し、四肢、顔面に広がります。症状は1週間程度で回復します。
ごくまれに、一部の患者において、発熱2~7日後、血漿漏出に伴うショックと出血傾向を主な症状とする致死的病態が出現することがあります。
デングウイルスに対する特有の治療薬はありませんので、対症療法となります。
2013年8月に、日本国内を旅行してデング熱に感染した可能性があるドイツ人患者(帰国後に発症)が報告され、日本国内での感染が疑われる事例として報告されました。
2014年8月末には、約70年ぶりとなる国内感染症例(海外渡航歴がないデング熱患者)が報告されました。その後、東京都代々木公園での感染が推定された症例が複数報告されるなど、1年間で162例の国内感染が報告されました。
2015年~2018年の届出数は、201-342例で推移しており、2019年には461例と過去最多の報告がされました。
日本国内で報告されているデング熱患者のほとんどは、海外の流行地で感染した症例ですが、2019年には、2014年以来5年ぶりに国内感染4例が報告されています。
厚生労働省「デング熱について」(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
長野県感染症発生動向調査では、調査を開始した1999年から2023年までの間に、37例(累計、2023年は速報値)の患者の届出がありました。いずれも、海外の流行地で感染した症例です。
デング熱に有効なワクチンはありません。
蚊に刺されないように注意しましょう。また、海外の流行地に出かける際には特に注意しましょう。
日頃から感染源となる蚊の発生予防、駆除、環境整備に心がけましょう。
デング熱の発生地域へ渡航する場合は、長袖・長ズボンを着用したり、蚊の忌避剤(虫よけスプレー等)を使用するなど、蚊に刺されないよう注意してください。
また、海外からの帰国者は、体調に異常がある場合は、到着した空港等の検疫ブースで検疫官に申し出てください。帰国後に症状が認められた場合は、医療機関を受診し、海外への渡航歴を告げてください。
すべての蚊がデングウイルスを保有している訳ではありません。また、国内の感染症例は、現在のところ限られた場所での発生が疑われているところであり、蚊に刺された場合、過度に心配する必要はありません。
ご心配な場合は、最寄りの保健所等にご相談ください。なお、蚊に刺されて発熱などの症状がある場合には、かかりつけの医療機関等を受診してください。
厚生労働省「デング熱に関するQ&A」(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
デング熱の国内感染が疑われる事例については、海外渡航歴がない場合であっても検査の実施について検討をお願いします。また、デング熱が疑われる症例について、最寄りの保健所への情報提供に御協力をお願いします。
蚊媒介感染症の診療ガイドライン(国立感染症研究所)(PDF:2,023KB)
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