果樹試験場

赤果肉りんご「リンゴ長果34（キルトピンク）」の今年の生育について（令和5年11月）

　当場では、新たな需要創出に寄与できるりんごとして、赤果肉りんご「リンゴ長果34（キルトピンク）」を育成しました。本品種は、現在品種登録出願中の新品種です。
　味が濃厚で食感も良く、そのまま食べて美味しいのは勿論ですが、カットした断面も綺麗なので、調理やスイーツなどの業務用への利用も期待されています。
　場内の「リンゴ長果34（キルトピンク）」は11月上旬に収穫期を迎え、今年も果肉がピンク色にしっかり着色し、食味の良いりんごが収穫されました。今年の夏季は気温が平年より高く推移したものの、果皮の着色も良好です。収穫期は平年と比べると１週間ほど早く、また、食味は酸味がやや穏やかな味となりました。
　現在、試験場では、果肉が赤く着色するメカニズムの解明を進めるとともに、果肉の着色が良い果実を毎年安定して生産できる栽培技術の開発に取り組んでいます。
　本品種の彩りや味の特徴が十分に発揮され、生産者や消費者から選ばれるりんご品種のひとつになることを期待しています。
 

「リンゴ長果34（キルトピンク）」の果実の断面
　果肉がピンク色にしっかり着色しています。
 

果肉の色素量の測定
果肉から抽出した赤色色素（アントシアニン）の濃度を分光硬度計で測定しています。
 

果実の着果位置の調査
果実が付いている位置と果実品質との関係を調べています。


果肉の物性の測定
レオメーター（物性測定装置）を用いて、果肉の食感に関する特性を調べています。

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