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更新日:2023年1月19日

消防防災航空センター

山岳救助活動からの考察(登山の安全対策)

「信州の山」

 その魅力は一言では言い表せません。

 登山者を魅了してやまない「雄大な景色」、「頂きに立った時の達成感」、「四季折々に感じられる自然の豊かさと偉大さ」などが挙げられるでしょう。

 北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、北信五岳など、魅力的な山々が多く、それが近年の登山ブームも相まって登山者が多い背景でもあります。

 さて、そんな魅力に溢れた登山ですが、一歩間違えると大きな事故に繋がってしまいます。

「山岳遭難」

 この言葉を聞いて、「自分は大丈夫だろう」、「私には関係ない」と思っている人は多いのではないでしょうか。もちろん、自分が遭難すると思って山に登る人は誰もいません。しかし、実際には思わぬ転倒や滑落により重傷を負ったり、命の危険にさらされることもあります。

 その危険を少しでも回避するためには、「自分の身は自分で守る」ことが基本になってきます。長野県では、平成28年7月1日から登山計画書の届出が必要です。登山計画書の作成は、自分の登山ルートや行程などを確認するためのものですが、届出をしておくことで、万が一遭難した際の迅速な救助活動にもつながります。

 次に、実際にあった山岳遭難事故の対応事例や予防策を紹介したいと思います。

 

事故ケース1:ヘルメットを着用し助かった事例

 

 西穂高岳で登山者が約30m滑落する事故が発生しました。救助時、登山者は全身を打ち、意識状態も悪く会話もできない状態でしたが、その後意識が戻り、リハビリができるまでに回復しました。

 助かった要因の一つに、「ヘルメットの着用」が挙げられます。

 滑落時、一番守らなければいけない部分が頭部です。この登山者は、ヘルメットを着用していたため、頭部の負傷を最小限に止められたのが助かった大きな理由です。

 皆さんも、もしもの時に備えてヘルメットを着用しましょう。

 西穂高岳救助現場の様子

 

事故ケース2:道迷いからの生還

 

 登山者が道に迷う救助事案が発生しました。その登山者は運良く上空から発見され、無事救助されましたが、誤ったルートに迷い込むと捜索・救助に時間がかかってしまう場合があります。

 さらに、迷い込んでいくうちに、焦りの気持ち、不安な気持ちから足元がおろそかになり滑落・転倒し怪我をしてしまうおそれがあります。

 そうならないためにも、「地図」「コンパス」を活用して、自分の現在地を確認しましょう。現在はスマートフォンのアプリで現在地やGPS座標を把握できますので活用することをおすすめします。

 道に迷い遭難してしまった際にも通報時に現在地の緯度・経度情報を伝えることによって、捜索場所の範囲が狭くなり、早い発見につながります。

 また、昼間でもヘリコプターに自分の位置を知らせる手段として「ヘッドランプの光」が非常に有効的になります。ヘッドランプの光は上空からでも非常に分かりやすいので、早期発見につながります。ヘリコプターが見えたらヘッドランプをヘリコプターの方に向けてください。ヘリコプターが見えない場合でも、音のする方に向けていただくと発見が早まる場合があります。

 日帰りの登山でもヘッドランプは必ず携行し不測の事態に備えましょう。

 

 tizutokonpasu

 ヘッドライト

 ※この写真は参考です。地図やコンパス、ヘッドランプには様々な種類があります。

お問い合わせ

所属課室:長野県消防防災航空センター 

長野県松本市大字空港東9030

電話番号:0263-85-5512

ファックス番号:0263-85-5513

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