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更新日:2014年10月9日
長野県知事 阿部守一
それでは、10月9日の会見を始めさせていただきます。私の方から、冒頭3点、お話を申し上げたいと思います。
まず1点目、県議会9月定例会、代表質問、一般質問が本日で終了という形になりました。県議会には、今回の御嶽山の噴火に伴う災害対応に関しまして、さまざまご配慮いただきましたこと、感謝を申し上げたいと思います。私の選挙後の最初の県議会であったわけでありますけれども、さまざまなご意見・ご提言をいただいたところでございます。私も議場でいろいろと、なるほどと思うことも含めて、メモをさせていただいたりしておりますので、今後の県政運営に十分生かしていきたいと思っております。
それから、2点目でありますが、御嶽山の噴火災害についてでございます。9月27日に発生した御嶽山の噴火災害、まずは改めてお亡くなりになられた方々、そしてご家族の皆さま方に心からお悔やみを申し上げたいと思います。また、被災された皆さま方には、心からお見舞いを申し上げます。まだ行方不明の皆さま方がいらっしゃいます。ご家族の皆さま方の思いにしっかりと寄り添って、引き続き関係機関の全面的なご支援をいただく中で、救助・捜索活動を進めていきたいと考えています。本日の9時時点で、死者55名、重傷27名、軽傷32名、行方不明者8名という災害であるわけでありますが、県としても関係機関と連携して、さまざまな取り組みを行ってまいりました。今回は国も非常災害対策本部を設置され、また現地対策本部を設置して、松本洋平政務官をはじめ、関係機関の皆さんにも県庁に常駐をして一緒になって災害対応に当たっていただいているところであります。さまざまな場面で、情報交換・意志疎通、非常に迅速に図られたと思っております。松本政務官はじめ、関係の皆さま方のご努力に感謝すると同時に、引き続き一体となって御嶽山の噴火対策に当たっていきたいと思っています。まず、救助活動でありますけれども、御嶽山の噴火後、行方不明者の捜索・救助につきましては、まずは登山客の皆さま方が多くいたであろう山小屋、あるいは山小屋周辺、そして登山道、登山道周辺を捜索してまいりました。また、今月7日からは、第2期の捜索救助という形で、寄せられた情報等を考慮しまして、登山道を含む山頂付近の区域を、面的な広がりがある地域を警察・消防・自衛隊の皆さんの力でローラー作戦で徹底的に捜索・救助を行ってきているところでございます。テレビ等でも報道されているわけでありますけれども、区画を割って、もれなく計画的に捜索・救助活動を行ってきているところでございます。すべての行方不明者を発見するべく全力を尽くしてまいりたいと考えております。また、今後11日(土曜日)でありますが、私も現地に赴きたいと考えております。自衛隊のヘリで上空から現地の確認を行わせていただきたいと思いますし、また地元の木曽町・王滝村の両町村長とも意見交換を行って、情報共有を図っていきたいと考えております。
それから、3点目でありますが、今回の御嶽山の噴火災害を受けて、今後の長野県としての取り組みであります。改めて火山の防災対策、あるいは山の安全対策、こうしたものを長野県としてしっかりと検討していく必要性というものを痛感しております。まずもって、国に対しましては、火山の観測・監視体制の強化を図っていただくよう要望していきたいと考えています。加えて、私も長野県としては、登山者、あるいは観光客の皆さま向けの対策ということにも改めて取り組んでいきたいと考えております。まず、火山防災対策でありますが、今回の噴火を踏まえまして、常時監視の火山を抱えている市町村、自主的にさまざまな取り組みを始めているところであります。防災用品、あるいは防災施設の点検、さらには緊急対応としてのヘルメット、マスク等防災用品の配備、こうした取り組みを行っていると聞いております。今後は県内の火山に関係する地方事務所、浅間山は佐久地方事務所、そして焼岳・乗鞍岳は松本地方事務所でありますが、御嶽山は現在火山活動中でありますので、少し時期を見てということになると思いますが、浅間山、乗鞍、焼岳、この山を抱えている地方事務所では、火山ごとの防災対策を関係市町村と今月末を目途に協議をするように指示をさせていただいたところでございます。防災という視点、そして山岳観光県であるということを見据えて、対策を考えていきたいと考えています。関係者には私どもの方からも視点・論点というものを提示したいと考えておりますが、例えば緊急の火山情報の提供・周知の在り方、あるいはヘルメット等の防災用品の配備であるとか、放送施設、シェルターといった防災設備・施設の設置、さらには国に対する要望事項、こうした点を市町村の皆さんと一緒に話し合いをしていきたいと考えております。また、今回の御嶽山の災害を踏まえて、国においても防災対策の見直し、あるいは検討というものが行われてくると思います。県としても国の動向も見据えながら、長野県の地域防災計画の修正についても検討していきたいと考えています。それから、少し角度が違う観点ではありますが、山を安全に楽しむための検討ということを長野県は山岳高原観光地づくりという観点で進めてまいりました。今回の災害では、例えば登山者の把握がなかなか難しかったという側面もあり、例えば登山計画書の提出という観点はこれからの取り組みとして有効な視点であると考えております。山の安全対策、これまでの検討の経過も踏まえて、さらにスピードを上げて検討を行っていきたいと考えています。観光部に新しく11月1日から職員を増員して考えていきたいと考えています。また、かねてから議論になっておりますが、条例化ということについても関係者の皆さんのご意見を聞いた上で早急に結論を出していきたいと考えています。いずれに致しましても、今回の大きな災害、この教訓を長野県としてもしっかり生かしていくということが重要だと思っております。そうした観点でさまざまな取り組みを進めてまいりたいと考えております。私からは以上でございます。よろしくお願い致します。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
今お話のありました火山防災対策について何点か伺いたいのですが、地方事務所と地元市町村で今月末までを目途に協議したいとおっしゃった火山防災対策の件ですけれども、議論の開始の時期だと考えるのが自然かと思いますが、いつぐらいまでにこの火山対策を取りまとめたいとお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
早急に取り組むべきことと、そしてある程度時間を時間を掛けて取り組むべきことと両面あると考えています。例えば、防災施設の設置みたいなことについては、ある程度すぐ対応するというのは難しい部分がありますけれども、先ほど申し上げましたように、国でも火山防災対策を進めていこうという中で、現場の視点で要望を上げていくということは必要だと思いますので、また、市町村でも今現在、先ほど申し上げたように、緊急的な対応として、ヘルメットとかマスクの配備といったようなことを行っている市町村もありますから、緊急に対応するべきことの中で県として支援するべきことがあれば、われわれとしては早急に対応していきたいと思いますし、政府に対しても早急に意見を言っていきたいと思っております。その他、先ほども地域防災計画の修正ということも申し上げましたが、少しじっくり検討しなければいけないことは、また別途時間を掛けて考えていく必要があろうと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
いくつか、先ほどのお話でも論点をご呈示されましたけれども、そのうちの一つ、緊急火山情報といいますか、今回の場合であれば微動は続いていたんだけれども警戒レベル自体は気象庁は上げなかった経緯がありますけれども、気象庁の判断を受けて、これまで自治体がどういうふうに判断するのかという流れだったかと思いますが、このあたりについても例えば自治体独自の対応をもう少し精緻(せいち)に考えるであるとか、そうした情報の提供の面では論点としては今のところどんなふうにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今回の場合、今現在続いている捜索救助にあたってもそうでありますけれども、火山の情報についての分析であるとか見通しというのは、専門家であっても非常に難しい部分があると率直に感じています。そういう意味で県だけではなくて、国あるいは研究されている皆さん、そうした皆さんと一緒に考えていかなければいけない部分だと考えています。観測監視体制の強化については、政府に対してわれわれが求めてきているところでもありますが、今後、観測監視の情報をどういう形で伝えていくかということは、これは気象庁をはじめ関係機関の皆さんと一緒に考えていくべきテーマだろうと感じています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それから後段でおっしゃっていらっしゃった条例化の、今までも山小屋関係者だとかの話を聞かれながら、条例が必要かどうかを含めて検討されていらっしゃったと思いますけれども、これについては先ほど関係者の意見を聞いて早急に結論を出したいとの話でした。これについては、これまで中心テーマになってきたのは岐阜県さんとの関係もあって北アルプスの周辺が中心だったかと思いますが、先日岐阜県さんの方でも御嶽山についても適用範囲に含めるというような検討を始めていらっしゃると伺っています。長野県で、これからこの問題について結論を出していく上で、まず今の時点では対象にする範囲というのは県内全体の山なのか、それとも北アルプスであるとか、今議論になっている御嶽山であるとか、どこまでを考えて、まずは結論を早急に出さなければいけないとお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは、青少年健全育成のための条例みたいな話になってしまいますけれども、われわれは、条例として仮に制定するとすれば、今論点になっている登山計画書を出す、出さないとかいう話だけではなくて、やはり安全登山をしていただくための教育であるとか情報の収集提供であるとか、あるいは関係者間の連携協力であるとか、あるいは登山道の在り方であるとか、非常に広い視点で考えていかなければいけないだろうなと考えています。そういう中で、今お話のありました登山計画書の作成・提出という部分が入ってくるわけでありますけれども、この点のあり方については、私はやはり長野県は長野県としての考え方をしっかり固めた上で岐阜県側と協議をしていくということが望ましいと考えています。長野県の山全体を、仮に条例化するとすれば、考えていこうとしているわけでありますから、岐阜県だけとの間の問題でもありませんし、また特定の山だけの問題でもありませんので、そういう意味では広く考えていく必要があると考えています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
そうしましたら確認ですが長野県内非常に周り中、山なので、そういう意味では幅広い議論になると思いますが、今回の議論の対象としては火山であるとか、北アルプスであるとかということよりは、まずは長野県内全体の山を対象にしてあるべきことからということで・・・
長野県知事 阿部守一
そうですね、この御嶽山の噴火災害の話と一緒にお話をしているので、そこがごちゃ混ぜになってしまうといけないので、もう一回改めて申し上げれば、今回の御嶽山の噴火災害を踏まえて、火山対策というものはこれはやっていかなければならないと思っています。もう片方で、私ども世界水準の山岳高原観光地づくりの中で山の安全対策ということをこれまでも関係の皆さま方と検討してきたわけでありますので、そちらはそちらで、ただ例えば、火山周辺に行くときにどういうことを考えるかみたいな部分は、一部、重なってくる部分もあろうかと思いますけれども基本的には別の流れという形になります。
中日新聞 小西数紀 氏
今の質問と多少かぶるのですが、県はこれまで「山岳高原観光地づくり」を目指していらっしゃって、今回の噴火で非常にたくさんの犠牲者が出られたということで、その県の取り組み、「山の日」なども今年制定されてますが、与える影響と、多分安全面の強化ということを今後打ち出していくと思うんですけれども、PRの仕方に何か変化があるのかということをまずお伺いします。
長野県知事 阿部守一
まず今回の御嶽山の噴火災害は、まだわれわれは災害対策本部を設置して関係機関を挙げて全力で対応をしているところでありますので、そういう意味では、まずは現在の災害対策に全力を挙げていくことが必要だと思っています。そういう中で、今後将来的にはやはり長野県のある意味で山というものは、これは貴重な財産であり、長野県の価値だと思っておりますので、基本的に山を大切にする取り組みというものは変わらずに進めていきたいと考えています。
中日新聞 小西数紀 氏
もう1点、先ほどの中で観光部に職員を増員して、山の安全対策などを、ということでしたが、具体的に何人ほど増加させてどういうことを担当する人を置くのかということをお伺いできますか。
長野県知事 阿部守一
これ、年度途中の話でもありますし、これまでも検討してきておりますので、1名増員をまずしたいと考えております。そういう中で、先ほど申し上げましたが、この山の安全対策というのは非常に広い観点が必要になってきますので、例えば長野県が取り組むべきこととしても遭難防止対策のあり方、あるいは教育のあり方、あるいは登山計画書の作成の意義の周知であるとか、あるいは遭難者の救助であるとか、そうしたさまざまな観点で検討を深めていきたいと考えています。
共同通信 小島佳祐 氏
まず最初に、冒頭知事が述べられたことについてなんですけれども、最初に県議会に対しての配慮を述べてから、ご遺族だったりご家族への配慮を述べられたということに、私個人としてちょっと違和感がありまして、まだ捜索が続いている中で優先すべきなのは被害に遭われている方のことではないかなと思うのですけれども、知事としては、まず県議会に対する配慮の方が、ご家族だったりご遺族に対する配慮よりも優先して述べなければいけないことだというふうにお考えになっているのか、その点をお伺いしたいんですけれども。
長野県知事 阿部守一
まず、全くそんな思いはありません。今回、この会見自体災害対応というよりは定例的に9月定例県議会の代表質問・一般質問が終わった段階で行われているということを受けてやっておりますので、県議会の話を致しました。「改めて」と申し上げましたのは、さまざまなところで私はご遺族の皆さま方へのお悔やみ、あるいは亡くなられた方へのご冥福、そうしたことを発言をさせてきていただいておりますので、そういう意味で現在災害対策進行中であるということは私自身が一番ですね、これはずっと私の頭の中を占めているわけでありますから、今ご指摘いただいたような思いは全くないということを申し上げたいと思います。
共同通信 小島圭祐 氏
分かりました。あと登山届の件についてなんですけれども、今回新たにまた再度検討されるということなんですが、火山の被害の場合に、例えば縦走していてどこにいるか分からないから早く助けにいきたいということで、計画書があった方がいいというのはふに落ちるんですけれども、今回のような場合というのは、少なくとも火口付近に助けに行かなければいけない人がいるということは、その状況から考えれば明らかだと思うんですけれども、仮にこの登山届を例えば義務化するなりもっと厳しくした場合に、今回のような災害の対応でどのようなメリットがあるというふうに知事はお考えになっているのか、その点についてお伺いします。
長野県知事 阿部守一
この登山計画書の在り方をどうしていくかというのは、具体的にはまだこれから検討していかなければいけない話だと思っております。ただ、今回の災害においても、やはり行方不明者数の把握、これ県警の皆さんが大変苦労してですね、やっていただいたわけでありますけれども、通常の例えばエリアが限定されたところの居住者への災害というものと非常に違って、把握をすることに大変時間と労力を要してきたという経過があります。そうしたこともわれわれ念頭に置きながら、今後の在り方というものを考えていくことが必要だろうと思ってます。
共同通信 小島圭祐 氏
もちろん不明者の数が早急に分かるということは非常に重要なことかとも思うんですけれども、一方、安全につながっているのかということを考えると、直接資するものではないのかなという気もしていて、その中で人員を増やして、この検討に対して力を入れるというのはもちろん悪いことだという趣旨ではないんですけれども、安全対策という面ではですね、他に検討すべきこともあるのかなというふうに思っているんですが。
長野県知事 阿部守一
ちょっと先ほども申し上げたんですけれども、この山の安全対策と火山対策が非常に混同されてるんじゃないかと思いますけれども、一部重なり合う部分はもちろんあると思っていますけれども、しかしながら、この噴火災害以前からこの山の安全対策は検討してきたところでございますし、その中の論点として、登山計画書どうするかということは、これは災害ということよりはむしろ遭難防止、あるいは遭難時の捜索という観点で検討してきた経緯がありますので、そういう観点でしっかり取り組んでいかなければいけないと思いますし、また今回の噴火災害を受けてこの今回の現状を受け止めた中で、この条例を仮に作るとした時、あるいは条例を作らないにしても登山計画書をどうするかという時に、やはり考えるべき論点ではあるかなと思っています。
市民タイムス 渕上健太 氏
冒頭で知事がローラー作戦、7日からローラー作戦に入って、今計画的に区画割って捜索しているということだったんですが、今計画について、どういう計画で進めているのかというのを改めて教えてほしいのと、あと進捗(しんちょく)状況を教えてください。
長野県知事 阿部守一
そうですね、これは非常に総力戦で今やっているところでありまして、これは面的なエリア、今現在一ノ池の周辺、二ノ池にかけてのエリアとそれから八丁ダルミのエリア、そして剣ヶ峰、さらにはトラバースと称してますけれども、そうしたエリアを面的に、残すところがないようにですね、金属探知機等使いながら徹底的に捜索をしてきていただいているところであります。本日も残念ながら救助捜索活動ができていないというような状況でありますが、一昨日は、前日の天候等の影響もあり、なかなか進捗(しんちょく)していなかった状況でありますけれども、昨日はかなり進めることができたと報告を受けています。今後も、この面的な捜索、できるだけ早く一人でも多くの方を発見できるよう全力で取り組んでいきたいと考えています。
市民タイムス 渕上健太 氏
そうしますと、計画の大体の期間というか、スケジュール的なところはどうなるんでしょうか。天候の悪化も週末、日曜日から懸念されていると思うんですが。
長野県知事 阿部守一
これは、私ども、もちろんしっかりとした計画を面的に、区画を分けて取り組んできているところでありますが、天候等の影響で非常に流動的な状況であります。われわれとすれば先ほど申し上げましたように、極力、計画を上回るようなペースで頑張ってもらえるように取り組んでいるところであります。しかしながら、二次災害を防止するという観点もありますから、単純に頑張れということだけではなくて、常に安全面、降雨の予報であるとか、あるいは火山の状況であるとか、そういうものを共有しながら進めてきているところであります。
市民タイムス 渕上健太 氏
そうすると、計画のどのぐらい、大体おおむね半分ぐらい終わったとか、そういうような表現ていうのは難しいんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これはわれわれ、今全力で取り組んでいるところでありますので、極力、今取り組んでいる面的な捜索については、早く全ての地域を捜索できるように取り組んでいるという状況です。
市民タイムス 渕上健太 氏
すみません、最後1点、市町村と月末を目途に火山防災対策の協議、始めるということなんですけれども、これは市町村と、あと、例えば山小屋の関係者の方ですとか遭対協の関係者の方とか、そういった方も入って協議会というか協議をするという場になるという理解でいいんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まずこれ、早急に、先ほども申し上げたように市町村ですでに具体的な動きをはじめているところがありますから、まずは市町村と県とで問題意識の共有を図っていきたいと考えています。火山関係の協議会等あるわけでありますが、それは隣県とまたがったりしてる形になっておりますので、そうしたものについてはその後にですね、開催をしていくという形になろうかと思います。まずは、県内の市町村と県とで問題意識を共有していきたいと思っています。
共同通信 小田智博 氏
連日大変な中、お疲れさまでございます。今の質問に追加で伺いたいんですけれど、先ほど、全力で取り組んでいるとおっしゃっておりましてですね、それはもう毎日現場からの報告でもそうですし、映像等からでもすごくよく分かるんですけれども、一方で、その全力で行った結果がどの程度進んでいるのかということについても、ぜひ、一日一日とは難しいかもしれませんが、可能な範囲で例えば地図上に落し込んだりですとか、進捗(しんちょく)状況何パーセントというような形で示していただくなど、そのような現状について詳しくご説明いただきたいなという思いもあるんですね。その辺りについてご配慮いただけないかと思っておるんですがいかかでしょうか。
長野県知事 阿部守一
はい。これ、私どもも警察、消防、自衛隊の皆さんが決死の覚悟で救助捜索活動を行っていただいている状況でありますから、できる限りわれわれとしても皆さんに情報をお伝えをしていきたいと思っています。ただ、中途半端な段階でお出しをするということはなかなかしづらいところがありますので、しっかりとまとめた上でご説明をしたいと考えています。
共同通信 小田智博 氏
まとめた上でというのは、具体的にどのような形を検討されているんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今日の会見は県知事としての会見で災害対策本部としての会見ではないので、あまりここの御嶽山の噴火の状況をきちんとご説明できるようなもので皆さんにお示し、ここではしていませんが、しかるべき早い時期に皆さんにしっかりとご説明をするようにしていきたいと思っております。
共同通信 小田智博 氏
計画を立ててされているというふうに先ほどおっしゃいました。当然、区画を上から上空のヘリだとか、見たところではですね、区画を区切ってされているということで、非常に精密にされているんだなということが伝わってくるんですけれども、であるならば毎日、「今日はここまで進んだ」とか「ここはやろうと思っていたけれどできなかった」とか、その辺りは当然一つひとつ詰めてらっしゃると思うんです。その辺りというのは、警察の例えば捜査であれば逐一伝えることができないということは非常に良く分かるんですが、今回のような捜索においてこういう言い方はなんですけれども、隠す必要は全く無いというふうに私個人としては少なくとも考えておりますし、多分ここにいらっしゃる方々や国民の方々もそのように思っておられると思うんです。そこで、実際いくら現場の方に県の災対本部の方に申し上げてもその辺りというのは調整ができていないとか、いろいろな理由があると思うんですけれども、出せないということで押し問答を続けてもう何日も経っているんですね。ここは知事のご決断でその辺りの情報を含めて詳しく出すというような形をとっていただけないかと思うんですけれどもいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
われわれ繰り返すように、決して隠すというつもりはありません。そういう意味で、先ほど申し上げたように、われわれの方からしっかりとご説明をさせていただくようにしたいと思っています。今、先ほど申し上げたご説明に留まっている状況ではありますけれども、私としても、今回の噴火への対応がどういう形で行ってきているかというのをお知らせするということは必要だと思っていますので、そういう意味で私ども関係機関の皆さんの協力を得ながら、今、災害対応をやっているという現状でありますから、そうした関係機関の情報をしっかりと整理集約した上でお示しをして、ご説明していきたいと思っています。
共同通信 小田智博 氏
あと1問申し訳ありません。災害対策本部長たる知事のところには例えば進捗(しんちょく)状況であるとか、進んだ地図、捜索ができたエリア、そうでないエリアなどを示した地図等というのは毎日報告されてるものなんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それは私のところには報告は来ています。報告は来てますが、これは例えば現場とわれわれ、しかも関係機関が非常に多く存在している中でありますから、やはりメディアの皆さま方にお話する上ではやはりしっかりと整理をした上でご説明をすることが望ましいと思っておりますので、決して説明をしないと申し上げているわけではありません。先ほどから申し上げているように、しっかりとお話をしていきたいと思っています。
共同通信 小田智博 氏
知事には釈迦(しゃか)に説法だと思うんですけれども、情報は正確さと速さ両方の面があると思うんですね。今その正確さを重んじるあまり、速さがおろそかになってるんじゃないかという思いが正直私にはあります。ぜひその辺りをご考慮いただいた上で、早期のその辺りの情報の公開をお願いします。以上です。
毎日新聞 光田宗義 氏
捜索に関連してなんですが、冒頭に知事からもご発言がありましたけれども、確認なんですが、全ての行方不明者の方を発見するまで捜索は続けられるというお考えでよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
当然、行方不明になられている皆さま方をご家族の元へお帰りいただけるようにわれわれは全力を尽くしていくということであります。捜索、火山が相手でありますので、捜索を不可能なエリアというものも今現実に存在しているところもありますけれども、われわれとすれば、捜索可能なエリアは全てしっかりと捜索救助活動行っていきたいと思っています。
長野放送(NBS) 野平崇 氏
行方不明者の捜索救助活動が当然第一ということなんですけれども、現在周辺ですとか、もしくは県内、風評被害もあったりとかして、キャンセル、観光客のキャンセルとかそういうのも相次いでいるかと思うんですが、現段階で知事、県っていうかですね、知事としてはどのようにそのあたり、把握されているかを教えていただきたいと思います。
長野県知事 阿部守一
今回の救助、捜索活動の他に、観光部を通じて観光関係者の皆さまからの情報というのも聞かせていただいているところであります。非常に観光への影響も出てきているという現状がありますので、私どもとしてはこの救助捜索活動を全力で行って、やはり今後その上で地域の皆さんの生活、暮らし、木曽町、あるいは王滝村を中心とした皆さんの生活への影響というものに対する対策ということもしっかり取り組んでいかなければいけないと考えています。
長野放送(NBS) 野平崇 氏
そのあたり、これからということだと思うんですが、対策っていうのは具体的には例えばどんなような対策。
長野県知事 阿部守一
そうだね。これ、今現在噴火の状況が続いているわけでありますが、その噴火の状況等も見ながらですね、やはり、木曽地域、観光で生計を立ててらっしゃる方も大勢いらっしゃるわけでありますから、そうした観光への支援、例えば対外的なPRですとかですね、そうしたことも次の段階としては考えていかなければいけないと思っておりますし、今度11日に木曽町の町長、王滝村の村長とお話する際には、そうしたことも含めて、地元のみなさんの思いを受け止めて伺っていきたいと考えています。
読売新聞 戸田貴也 氏
連日救助活動でレクをしていただいて、知事が救助活動に全力で取り組んでらっしゃるというのは存じ上げております。で、その上でなんですが、例えばその県警で言うと、岐阜県警が明日から捜索に入ると、で、警視庁も応援を出していくと。警察関係で言うと増派が今後出てきますけれども、その受けとめをまず教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。これは、私は長野県側からの捜索救助を基本的に災害対策本部として行っているわけでありますけれども、岐阜県側の対応も含めて、御嶽山の噴火災害、岐阜県側とも協力しあって取り組んでいかなければいけないと思っています。
読売新聞 戸田貴也 氏
その上でなんですけれども、警察はそのような対応されていますが、本部長、例えば災害対策本部の本部長としてですね、例えば大きな台風が進んでるので、実現可能かどうかは置いておいてですね、例えばその消防であるとか、緊急援助隊、今来られていますが、さらなる援助を求めるであるとか、他に自衛隊さん、国を通じた援助の要請であるとかそういったお考えはいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これも、ちゃんとまたご説明しなければいけないと思っていますけれども、今、面的なエリアを決めて捜索を行ってきているわけです。で、その捜索も3,000m級の山での火山を相手にしての作業ということでありますから、そういう意味では緊急時への対応といったことも含めて、考える必要があります。具体的には、いざ避難が必要になったときに、どういう形で下山するのか、ヘリでどれだけ対応できるのか、ということも含めてしっかりと考えていかなければ、これは二次災害につながりかねないと思っておりますので、そうした全体を考える中で最も望ましい救助活動、これは現場で警察、消防、自衛隊の皆さんが調整し、そしてわれわれもそうした活動を把握する中で、二次災害が起きることを防ぎながらも、できる限りの対応をしてきているのが現状です。
共同通信 小島佳祐 氏
たびたび申し訳ありません。捜索に関してですけども、雪の影響というのをどうしても考えなければといけない状況になっているかと思うんですけれども、現時点では、今面的な捜索を順次行っているところかと思うのですが、いつまでに面的な捜索を終わらせるという計画になっているのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは先ほど申し上げたようにわれわれの取り組みはしっかりとお伝えしていきたいと思っています。もちろん、これから台風がまた来る見込みになっておりますし、またその後は降雪、さらには気温が低下して山頂付近に氷が張ったりというようなことで、環境が大分変化してくると思いますので、そうした環境の変化に対してどう対応していくかということも含めてわれわれは考えていきますし、そうしたわれわれの考えについては皆さんの方にお示しをしていかなければいけないと思っています。
共同通信 小島佳祐 氏
今言った時期的なことだったり、スケジュールに関しても近いうちに何らかの形でご説明いただけるという理解でよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
はい、われわれ先に申し上げたように、スケジュールというのが非常に現場の段階で流動的です。例えば、一定の面積に対応しようと思っても、自然との戦いでありますから、現実的に火山灰のぬかるみ具合であるとか、そうしたものによって机上で考えるように計画的に行くというものでは正直ない。これは皆さんもご理解いただけるんじゃないかなと思います。そういう中でわれわれは最善を尽くしてやっているという状況であります。いつまでにやるからいつまでに粛々とやるということではなくて、これは本当にご家族の皆さま方のところに行方不明者を早くお連れしたいというのは救助隊の皆さんの共通の思いでありますから、そういう中で取り組んでいるということで、何というか、行政が机上で計画を立てて、こうだ、ああだというようなものとはいささか違うものだということはぜひご理解いただきたいと思います。
共同通信 小島佳祐 氏
もちろんスケジュールが天候など含めて変わり得るというのを認識しないで言っているのではないですけど、一方で自然のことを考えれば、ここまでにやっておかなければいけないという、きっちり何日のいつまでに、やらなければいけないというものでは当然ないでしょうけども、ある程度の見通しを持っていなければいけないというのもまた一方で事実だと思います。
長野県知事 阿部守一
そういう意味では先ほどから申し上げているように、皆さま方の方にはしっかりとご説明をしていかなければいけないと思っています。ただ、その前提で、ここの平坦地で、こことここを捜索しましょうみたいなものとは全くレベル感が違うものだというのは実際に命がけでやっていらっしゃる皆さま方の活動状況を皆さんも報道されているわけでお分かりだと思いますけど、そうしたものであるというのをまず前提にしていただいた上で、われわれとしては皆さんにはちゃんとお示しをしていきたいと思っています。
読売新聞 戸田貴也 氏
今、ご説明いただいた情報の提供を、われわれを通じて県民、国民にという趣旨だとは思うんですけども、それは知事のお考えの中では、ここまでには示したいとか、そういったものもぜひ教えていただけますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは、できるだけ早くですね。できるだけ早くというのは、そんなに遠くない時期にお示しするようにはしていきたいと思います。
読売新聞 戸田貴也 氏
関連して、例えば11日に現地視察がありますけれども、その前後や、そういう目途というものはありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは、目途と立ててどうこうというよりは、われわれがちゃんとお示しをして説明をしていきたいと思っていますので、しかるべき時期にしっかりとお話をしていきたいと思っています。今日、このタイミングで会見があるのは、この噴火災害対策の節目であるから会見をしているというわけでは必ずしもないので、そういう意味でちょっと皆さんと話がかみ合っていないところがあって申し訳ないんですが、御嶽山の噴火災害に対する対応について、われわれとしての取り組みとか考え方をしっかりお示ししていかなければいけないというのは、皆さま方から出ている意見、全くわれわれもそのとおりだと思っていますので、しっかり対応していきたいと思います。
読売新聞 松本由佳 氏
ちょっと情緒的な質問にはなるのですが、御嶽山という山は、信濃の国にも歌われておりますし、地元でも「お山」と呼んで親しまれている山で、もちろん観光資源でもあり、ということで、県内の山の中でも登山客も多くて愛されている山なわけなんですけれども、地元の方々はこうした山が噴火してしまって、県外から来ているたくさんの方が亡くなった、傷ついてしまったということで、大変打ちのめされて、喪失感を持っていると聞いておるんですが、知事ご自身は御嶽山に対してどんな思いでいらっしゃるか、またこうした災害が起きたことに対して、どのような思いでいらっしゃるのか、お聞きしたいです。
長野県知事 阿部守一
そうですね、私の個人のパソコンの画面に御嶽山の写真を入れているんです。今もお話がありましたけれども、信濃の国にも歌われている、長野県のシンボルとも言える山でありますから、そういう山でこうした大きな被害が発生する災害が起きてしまったということは、私としては大変残念でありますし、この災害対応に全力を投入していくというのが、私たちの責任だと思っています。また本当に大勢の皆さま方が、これまでも御嶽山に登られ、そして信仰の山でもあるわけでありますから、こうした大勢の皆さま方の思いということも大事にしながら今後の対応を考えていかなければいけないと思っています。
時事通信 岩崎万季 氏
心のケアについてお伺いしたいのですが、もうご遺体が見つかって、ご遺族の方で他県出身の方がかなりたくさんおられるんですけれども、県の方から積極的にご遺族の方にご連絡を取ったりとか、あるいはご遺族の方から定期的に県の方に、今の捜索の進捗状況だったりとか、問い合わせがある状況があるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
ご家族の皆さま方、安否確認から始まって、本人確認、そうした現場でのご家族の皆さま方への情報提供、これは県警の皆さんが非常に丁寧に対応してきていただいています。今、行方不明の皆さま方のご家族に対しても、警察の方から情報を提供してもらっているところでありますし、先般も私の方から引き続き丁寧な情報提供をしてもらうようにお願いをしているところであります。そういう意味ではご家族の皆さま方のお気持ちというものを尊重しながら、われわれも、これからもしっかり対応していく必要があると考えています。
長野県知事 阿部守一
ありがとうございました。
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