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更新日:2025年8月25日
環境保全研究所
この講座は、セミのぬけがらを集めて、それらの種類と数を調べるという内容で2012年から行っているものです。主に小学生を対象としています。今年も県内の6 会場で企画しておりましたが(図1)、8月7日(木曜日)に開催予定だった長野会場が雨天中止となってしまい、5会場での開催となりました。合計で69名(うち子ども41名)の方にご参加いただき、松本や飯田の会場では600個を超えるセミのぬけがらが集まりました(表1)。
図1 自然ふれあい講座の会場
開催日時 | 会場 | 参加者数 | ぬけがら数 |
---|---|---|---|
8月1日(金曜日)10時00分-12時00分 | 大町(市立大町山岳博物館) | 6名(うち子ども4名) | 142個 |
8月3日(日曜日) 9時00分-11時00分 | 飯田(がざこしこどもの森公園) | 28名(うち子ども17名) | 960個 |
8月4日(月曜日) 9時00分-11時00分 | 松本(アルプス公園) | 11名(うち子ども6名) | 650個 |
8月5日(火曜日)10時00分-12時00分 | 伊那(鳩吹公園) | 15名(うち子ども9名) | 265個 |
8月6日(水曜日)10時00分-12時00分 | 上田(市民の森公園) | 9名(うち子ども5名) | 340個 |
8月7日(木曜日) 9時00分-11時00分 | 長野(川中島古戦場史跡公園) |
雨天中止 |
雨天中止 |
講座の前半では、セミのぬけがらを集めました(写真1)。最初はぬけがらがなかなか見つからない子どもたちも、ぬけがらは木の幹だけに付いているのではなく枝先や小さな草木にもあるのがわかると、どんどん見つかるようになってきます。
講座の後半は、集めたぬけがらを大きさ、色の具合、そして触角の特徴(ふしの数とその長さや太さ)などをたよりに、種類ごとに分類しました(写真2)。なかなか大変な作業ですが、ちょっと珍しいぬけがらが何ゼミなのかを知ることができたり、人一倍たくさんのぬけがらを集めて嬉しかったり、楽しく自然環境にふれあうことができたようです(写真3)。また、スタッフから長野県にいるセミについて、鳴き声のクイズや自然の中での暮らしぶりなどに関して解説し、参加者の皆様にはセミという生き物の魅力や不思議さを理解していただけたと思います(写真4)。
写真1 みんなで木の根元についたぬけがらや地面に落ちたセミのぬけがらを探してる
写真2 大きさや色の具合でぬけがらを分類してる
写真3 たくさんのぬけがらの中に二種類の仲良しなぬけがらがありました
写真4 セミってどんな生き物かな
みんなで集めたぬけがらの種類と数を集計し結果、アブラゼミのぬけがらはどの会場でも最も高い割合で見つかりました(図2)。また、松本の会場にはミンミンゼミ、伊那の会場にはヒグラシ、上田の会場にはエゾゼミ、もそれぞれ高い割合でぬけがらが見つかり、場所によって各種セミの構成比がことなっていました。同じ長野県内でも標高や地形などの違いに応じて気候が異なることや、その場所の植生など生息環境の違いにより、各会場で見つかるセミのぬけがらの種類が異なるのではないかと考えています。
図2 会場によってセミのぬけがらの種類毎の割合が違う(長野会場は雨天中止)
ぬけがら探しは毎年同じ時期に同じ場所で行うことで、セミの種類や数に年ごとの違いが出てきます。本講座がこのような年ごとの違いと地球温暖化などの環境変化との関係を考えるきっかけになればと考えています。
最後に、参加者のみなさん(特に子どもたち)には楽しく身近な自然環境に親しんでいただけたようでとてもうれしく思っています。また暑い中、各会場ではボランティアスタッフの方々にご協力いただき、感謝しています。
(栗林 正俊/自然環境部)
長野県環境保全研究所
自然観察指導員長野県連絡会・セミの抜け殻調べ市民ネット
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