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更新日:2023年5月20日
環境保全研究所
地質図は、山や盆地などの大地が、どのような物質からつくられているのかを、地形図の上に示した図です。
地質図には、地層や岩石などが色分けされて、それらの分布が示されます。さらには、そういった地層がいつの時代にどうやってできたのか、あるいはそこにどういう自然現象が起こったのか、そして現在どういう性質をもっているのかなど、過去から現在までのさまざまな情報が盛り込まれます。
今ある長野県地質図は1957年(約50年前)に長野県地学会により編集されました。それ以後に部分改訂されたこともありましたが、時代区分や地質区分がその後の研究で変わっていたり、活断層などの情報がなかったりし、内容を刷新する必要性が高まっていました。
長野県の地形や地質はとても複雑ですが、そのぶん県内のいたるところに日本列島の生い立ちの記録がよく残されています。地質や地盤は県民の暮らしや健康、そして産業などにも深く関わっています。最新の研究成果が盛り込まれた地質図は、防災や環境保全、多様な生態系の保全などを適切にすすめてゆくための基本資料となるものです。
新版地質図では、「電子地質図(1/10万精度)」と、「印刷された地質図(1/20万精度)」、そして「解説書」をセットにして提供する予定です。新しい地質図では、長野県の多種多様な地質が、新たに設けられた長野県統一地質凡例に沿って整理されます。また、地質情報に加えて、地盤や防災、環境等に関する情報も盛り込まれる予定です。
両者の違いを簡単にまとめてみると次のようになります。
数億年の過去から現在までの長野県の大地の歴史がわかるように、地層や岩石の時代やでき方を検討しながら、比較的大きな時間と空間のスケールでまとめられることが多い。
建築物などを支える地盤の強さや、土の性質など、私たちの日常生活に直接関わる情報が中心となるため、比較的小さな時間と空間のスケールで個別のテーマごとにまとめられることが多い。
両者は、同じ地下の情報であり、相互に関連するものですが、表現にはどうしても違いが生じます。そのため、一部の情報は同じ図にまとめますが、図のテーマによっては、必要に応じて縮尺や表現などを変えて別々に示すことも検討しています。下の図は、断面図を例に、地質図と地盤関係図の表現がどのくらい違うのかを比べてみたものです。
事務局:長野県環境部環境政策課(県庁6階)/長野県環境保全研究所
(担当:富樫均)
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