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更新日:2014年6月20日

第944回長野県教育委員会定例会会議録

 

1 日時

平成24年(2012年)7月26日(木曜)午後2時から午後3時40分

2 場所

県庁 教育委員会室

3 資料

議題

議第1号 職員の処分について

議第2号 高等学校の校名変更について 

議第3号 平成25年度長野県立高等学校入学者選抜要綱(案)について

 

教育長報告事項

(1)平成24年度長野県公立高等学校入学者選抜に関するアンケートの集計結果について

(2)不登校対策の行動指針(改訂版)(案)について 

 

4 出席者

委員

 

委員長 矢﨑 和広

委員長職務代理者 耳塚 寛明

委員 高木 蘭子

委員 生田 千鶴子

教育長 山口 利幸

 

その他

市川教育次長、荒深教育次長、田中教育総務課長、笠原義務教育課長、田中高校教育課長、

成沢特別支援教育課長、武田教学指導課長、澤井心の支援室長、阿部文化財・生涯学習課長、松野保健厚生課長、原スポーツ課長

 

 

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矢﨑委員長
 ただいまから第944回教育委員会定例会を開会いたします。
 はじめに、本日、野村委員から所用のため欠席する旨の報告がありました。なお、過半数の委員の出席を得ていますので、地方教育行政の組織及び運営に関する条例第13条第2項によりまして、本会議は成立していることを申し添えます。
 議事に入ります。本日の審議事項中、議第1号「職員の処分について」は、特定の個人に関する情報が含まれている案件であります。つきましては、議第1号を非公開で審議することが適当と思われますが、御異議ございませんか。

全委員
 異議なし。

矢﨑委員長
 御異議がないようでありますので、議第1号につきましては非公開で審議することに決定いたしました。なお、議第1号の審議につきましては、本日の最後に行うことといたします。
 それでは、最初に議第2号「高等学校の校名変更について」、田中高校教育課長から説明してください。

田中高校教育課長
 (資料説明)

矢﨑委員長
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。生田委員どうぞ。

生田委員
 ありがとうございます。佐久平ということで、知名度も高いし親しみやすいということで、御説明いただいて、ああそのとおりだなと私も感じます。前回も校名について議論があったかと思うのですけれども、校名の応募の75.5%、これは中高合わせてですか。

田中高校教育課長
 はい。中学生が45%、それから高校生が29.4%ということで、中学生の方が多かったです。

生田委員
 それで、公募なのですけれども、例えば学校から、校名について公募がありますよというようなアナウンスなどがあったのでしょうか。

田中高校教育課長
 はい。いろいろな形で新校準備委員会を中心にやっていただきました。特に生徒さんには、学校から周知するような形で丁寧にやりました。

生田委員
 丁寧にしていただいたということなのですけれども、高校生になると思いはあってもなかなか行動に移れなかったりすることも多いと思うのですね。前回も決まってから多くの不満の意見がメール等で送られてきたかと思うのです。本当にこういったところは丁寧に慎重に、当該の高校生の意見が十分に吸いあげられるようなシステムというものを作っていただいて、決まった後でこんな名前は嫌だという意見が出ないような形にぜひとも徹底して、今後やっていただきたいと思います。

田中高校教育課長
 新校準備委員会から、検討委員会で決まった校名の案を公表しまして、その後今日まで1ヶ月位あったのですが、その間に、特に不満のようなことも一切なくて、そのような状況を踏まえて今日提案したところでございます。

矢﨑委員長
 どうぞ。

生田委員
 不満があったとか、なかったというような問題ではなくて、しっかりそういったことを周知して、子どもたちがちゃんと意見を言える、そういったシステムを作ることが私は大事だと思っていますので、今後やはりこういった校名等を決めていく中で、そういったことには子どもたちに配慮をしていただきたいと思います。

矢﨑委員長
 他に、御意見や御質問がありましたら。それでは、ないようでありますので、議第2号を原案のとおり決定したいと思いますが御異議ございませんか。

全委員
 異議なし。

矢﨑委員長
 御異議ございませんので、議第2号を決定いたします。
 次に、議第3号「平成25年度長野県立高等学校入学者選抜要綱(案)について」、同じく田中高校教育課長から説明してください。

田中高校教育課長
 (資料説明)

矢﨑委員長
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。どうぞ。

生田委員
 ありがとうございます。こちらの資料を拝見させていただいて、これだけを見てこれが適切なのかどうかという判断はしかねるわけですけれども、今までこのような選抜をやってきた中で、保護者や生徒から不具合とか、こういうふうにしてほしいとか、そういった要望等は出ているのでしょうか。

矢﨑委員長
 課長。

田中高校教育課長
 この要綱については、特にそういう部分はないと思います。

矢﨑委員長
 いいですか。他に御意見、御質問はありますか。ないようでありますので、議第3号を原案のとおり決定したいと思いますが御異議ございませんか。

全委員
 異議なし。

矢﨑委員長
 御異議ございませんので、議第3号を決定いたします。
 以上で議事を終わります。
 続いて、教育長報告事項に入ります。報告事項1「平成24年度長野県公立高等学校入学者選抜に関するアンケートの集計結果について」、田中高校教育課長から説明してください。

田中高校教育課長
 (資料説明)

矢﨑委員長
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。高木委員どうぞ。

高木委員
 前期選抜を実施する、しないということは、それぞれ学校の考えによってやるところ、やらないところが出てきたということは理解しているつもりです。それで、例えば前期選抜という形で、いわゆる一般の学科試験ではなくて、入学した子どもたちがその後どんなふうに成長していったかというようなこと。あるいは、学校の中で何か別の問題があったかとか、あるいは取りやめるに当たってはどういう評価をしているかとか、そういうことが聞けたらと思うのですけれども、その点についてはどうでしょう。

 

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矢﨑委員長
 どうですか。

田中高校教育課長
 すみません。確認して回答いたします。

矢﨑委員長
 どうですか。分かる人が説明してもいいですよ。

田中高校教育課長
 すみません。一応調べはしているので。しっかり確認を。

高木委員
 では、後ほど。

矢﨑委員長
 いいですか。どうぞ。

山口教育長
 追跡調査をやっているのです。

矢﨑委員長
 その結果が、今手元にないということでいいですか。後で説明できるということでいいですか。

田中高校教育課長
 はい。確認をしてから。

矢﨑委員長
 分かりました。では、委員会中に確認できれば、その返事を聞かせてください。
 それでは、他に何かありますか。どうぞ。

生田委員
 平成16年度からこの前期選抜を導入して、平成23年度から各学校の判断に委ねるということだと思うのですけれども、こういうふうに変わっていった経緯について御説明いただければと思います。

矢﨑委員長
 課長。

田中高校教育課長
 まず、前期選抜は平成16年度から導入したわけでございます。そして18年度からは全校で実施したという経緯です。多様な観点、学力検査以外にも多様な評価の尺度によって入学者を選抜するという趣旨で導入されてきたわけでございますが、そういう中で不合格者が非常に多く出ること、それから不合格になった受検者のほとんどが、また同じ学校を受けるような状況があると。それから、判断基準、合否のそういう部分にどうしても曖昧な部分があるというようなことが大きな理由となって、それで、23年度に28校で取りやめたという状況でございます。

矢﨑委員長
 どうぞ。

生田委員
 取りやめではなく、各校の判断に委ねるとここに書かれてありますが、取りやめということでしょうか。

田中高校教育課長
 はい。それは各校で検討していただきまして、やめたという。取りやめというか、実施しなかったということです。

生田委員
 すみません。まだ前期選抜を実施している学校があるとすると、何校ぐらいあるか教えていただければと思います。

田中高校教育課長
 前回の資料にそれを詳しく載せているのですけれども、ちょっとお待ちください。全日制で前期選抜の実施校は67校です。それから、定時制で11校ということでございます。

矢﨑委員長
 どうぞ。

生田委員
 ありがとうございます。
 あと、アンケートの中で要望等も出ていると思うのですけれども、今後選抜を実施するに当たって、このような保護者からの要望等をしっかり反映されるのかどうかお聞かせいただければと思います。例えば、4ページの8番の「不合格者が多くならないよう具体的志願条件を示した方がよい」等々あると思うのですけれども、このような要望が反映されるのかどうか。それから、5ページにも「面接官の態度や聞き方を工夫してほしい」などありますが、その点についてお聞かせいただければと思います。

矢﨑委員長
 課長。

田中高校教育課長
 こういう募集の条件をなるべく具体的にとか、面接についての要望があったことは、高校の方にしっかり伝えますので、それを受けて各学校で考えてもらうということで、毎年改善していくということでやっております。

生田委員
 あと1点なのですけれども、3ページの(6)の回答で、「工夫が必要であると思う」というところに10.2%とあり、貴重な御意見だと思うのですが、どのような工夫を望んでいるのかというようなことを、具体的に書くような欄はあったのでしょうか。ないとすると、せっかくこのような貴重な意見をいただいても、なかなか反映させることができないと思うのですが、いかがでしょうか。

矢﨑委員長
 課長。

田中高校教育課長
 これは、自由記述で書いていただいて、いろんなことが書いてあるわけですけれども、一番多かったのが前期選抜を実施してほしいということです。
 また、選抜については混乱を起こしてはいけないということで、大きく変える時にはよくいろんな声をお聞きして、そして慎重にしっかり検討して、また周知も十分必要だと。そういうことですので、変更するとか改善する場合には、しっかり各方面から意見を聞いた上で行うということでありまして、いろいろな声が、矛盾するような声も出てくるものですから、選抜制度で変更するといざなった時は、しっかりいろんな形で声を聞いて、よく検討して変更しなければいけないと思っております。

矢﨑委員長
 他にはよろしいですか。それでは、教育長報告事項1を終了します。
 次に、教育長報告事項2「不登校対策の行動指針(改訂版)(案)について」、澤井心の支援室長から説明をしてください。

澤井心の支援室長
 (資料説明)

矢﨑委員長
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。生田委員どうぞ。

生田委員
 3ページなのですけれども、こちらの委員さんの方々なのですけれども、委員さんの選定の基準というものは、どういったことを基準に決められたのか御説明をお願いいたします。

澤井心の支援室長
 不登校対策検討委員会が設置されました時に、設置要綱をお認めいただいて、それに基づいて委員をお願いしておりますが、市町村関係につきましては、それぞれの協議会から御推薦をいただいた方に委員になっていただいております。

矢﨑委員長
 どうぞ。

 

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生田委員
 このように委員さんにお願いする時に毎回思うのですけれども、今回は不登校対策検討委員会ということで、不登校がどういったものなのか、どんな苦しみを当事者が持っているのか、保護者が感じているのかということ、まずそこをよく理解できないと、実感できないところからの議論というのは、私はバランスを欠いてるかなという気がいたします。今回の不登校対策検討委員会であれば、過去に不登校を経験した方の御意見、どういったところにすごく困難さを感じ、どういったサポートに助けられたのかとか、そういった貴重な御意見を聞く必要が私はあるかと思います。また今後という話になってしまうのはとても残念なのですけれども、そういった当事者の話を聞けるような、そういった委員の選定をぜひともお願いしたいというのが1つです。
 それと、大きな8ページの1で、「不登校未然防止のための学校づくりの取組」ということなのですけれども、以前定例会に出た資料で不登校の理由の一番が学業でついていけないということだったように記憶しています。その次が友人関係、そしていじめという順だったと思うのですけれども、そうなるとまず学校が安心・安全、楽しい場であるという、そういった状況を作ることが私は一番大事なことではないかと思っています。まず学校現場で何ができるのかという、そこから議論をしていく必要を私は強く感じています。ですが、今回の資料を読ませていただくと、家庭の問題を挙げたり、人のせいにしたりで、そういうところからはエネルギーがなかなか出にくい、いい案も出にくい、効果的な有効な案は出にくいと私は思っております。まず、謙虚に学校現場で何が必要なのかというところに立って、こういった議論を進めていただきたいと切に望みます。
 あと、学業の問題が理由の一番だと先ほども言いましたけれども、先生方はどれだけ授業改善、楽しい授業、興味をひくような授業のために時間を割いていらっしゃるのか、また、割けるようどれだけ教育行政として行ってきているのかと。そういったところも、私は真剣に考えることが必要なのではないかと思っています。
 それと、同じく8ページの1の(1)の②なのですけれども、「客観的なデータに基づいた指導と評価の一体化」と書かれていますが、これは具体的にどういったことなのか御説明いただければと思います。

矢﨑委員長
 室長、どうぞ。

澤井心の支援室長
 それではお願いします。第1点目の委員の構成ですけれども、確かに委員の中に直接不登校のお子さんをお持ちだったというような方は入っておりませんけれども、今年から入っていただいた子ども市町村の福祉関係の担当者の方は、日々そういったところで経験している方です。あるいはソーシャルワーカーもお二人入っていますが、ソーシャルワーカーはカウンセリングの半数弱が不登校に関わる問題で、そういったところで直接子どもたちから聞いたことを持っていらっしゃると思っています。また、過去にはそういった親の会の方から、事例発表という形でお話をいただいたこともありますので、そういった形でもまたお話は聞けると思いますので、その点については今御指摘があったとおり今後も検討していきたいと思っております。
 それから、2点目で学校現場で何ができるかというのは、確かにそのとおりでありまして、8ページの(2)のところにありますが、やはり大切なのは教室の中に居場所があり絆を持てる、そういった学級経営、学校経営ができることが一番だと思っております。様々な教学指導課の取組とも合わせながら、児童生徒の居場所づくりについては今後もますます深めていかなければいけないと思っております。
 同様に、楽しい授業についても御指摘いただきましたが、学力の面で不安を抱えてなかなか学校に行きづらくなる児童生徒が多いというのも事実でありますので、楽しい授業をするための様々な先生方の取組、学校の取組は、支援していかなければならないと思っております。
 それから、②の「客観的なデータに基づいた指導と評価の一体化」というのは、これは現在教学指導課で行っているPDCAでの学級経営等の取組、あるいは学力テストなどを利用したデータに基づいた指導、あるいはそれに基づく評価という意味で書かせていただいております。以上です。

山口教育長
 いいですか。

矢﨑委員長
 教育長どうぞ。

山口教育長
 私が委員長をやっているものですから、そういう立場から今の御質問にお答えしたいと思います。
 最初の不登校を経験された方、あるいはそういった子どもさんを持っていらっしゃる保護者の方の意見、そういう心情をベースにするというのは、これは当然でありまして、今、室長が申し上げたような形で親の会でありますとか、NPOの方でありますとか、そういった方に直接意見発表とか事例発表をしていただくという会合を、この委員会の中で持ってきたと、そういうつもりでおります。ただ、これはいろんな形でケースごと、本当に個別具体的な部分もありまして、そういう心情にどれだけ意を寄せて議論できるかということが、一番のベースでありますので、今後もそういう気持ちでやっていかなくてはいけないと思っております。
 それから、学校づくりなのですけど、御指摘の8ページのところなのですけど、未然防止といいますか、不登校が増えたこと、学校へ行きたいと思いながら来られなかった児童生徒さんが、そこはどこで躓いているのか、どういうことがあったからそうなってしまったのか。一番はやはり学校に居場所、活動する場所があって、そして児童生徒間同士、あるいは児童生徒と教師の間の信頼関係とか親和的な関係、とにかくそれを作ることが前提だということが大分強調されまして。これは何も不登校だけではなくて、例えばいじめの問題もそうだし、学習の形が教師から一方的という形ではなく、例えばグループで調べ学習をするとか、学び合うとか、そういった新しい学習経験を含めてやっていかなくてはいけないということで、言葉にするとこういう形になりますけれども、議論の中でそういった集団づくりと申しますか、学校のそういったものがやはりベースに座っていなければだめだということは、この間で確認されたことであります。
 そして、また実績といいますか、こういう不登校対策が学校全体の取組になっているところの実践例なんかを見ますと、やはりその辺からスタートしているものが多いですね。そういう面で、もうこれは不登校に限らず様々な教育活動のベースということで、ここに表記したわけでございます。
 それから、最初の選任のことですけど、最初スタートした時に、とにかくいろんな市町村教育委員会や県でもいろんな施策をやっていたのだけれど、どうも連携プレーといいますか、同じ共通認識で立つというのがちょっと少なかったのではないかということ。それと首長部局との意思疎通、共通認識とか、その辺がないとだめではないかということで、最初そこに記載の委員でスタートしました。やっていくうちに、やはり市町村の福祉分野を担当している方とか、県庁の首長部局のそういう分野を担当している方にも一緒に加わっていただこうということで4名を新たに追加したのが今年のスタートであります。
 したがって、そういう形で不登校の問題を追及していきますと、やはり福祉的な視点を持たないといかんとか、首長部局の様々な分野との恒常的な、日常的な支援体制をどうするのかということが浮上してきましたので、こういった組織体制を取ったと、こういうことであります。成果にならなければいかんと思っていますけれども、問題意識はそういうところにございました。

矢﨑委員長
 どうぞ。

生田委員
 ありがとうございます。今のお話は私もよく理解できまして、教育委員会組織だけではできないこと。福祉分野の問題があり、家庭で保護者の方にサポートしていただくことももちろん大事なのですけれども、ただ学校という場に子どもたちが来ているその時は学校の責任ということで、しっかり学校現場で何ができるのかというところに神経を集中して、対応していただきたいというのがあります。
 そして、12ページの(2)なのですけれども、「不登校の背景となる家庭環境や児童生徒の発達課題」ということで、ここに「小学校における不登校のきっかけの中で多いのは、『家庭内の不和』『親子関係』等家庭の問題である」と、このように言い切っていることに私はとても危機感を覚えました。やはり、そういった言葉が出ることが、根底に家庭の問題だからしょうがないよ、というような諦めにつながる危険性を私は強く感じますので、少なくとも教育行政がこのように出すドキュメントの中には、こういう文言を私は入れるべきではないと思っています。
 それと最後、10ページの(3)「『保護者に寄り添い、保護者とともに』子どもを支援する試みが行われた」ということで、①②③とそれぞれとても有益な試みかと思います。ですが、例えば②の保護者のネットワークづくりとか、③の不登校研修会、これもそれぞれ有益かと思いますけれども、やはり保護者が一番望んでいるものは何かと考えた時に、私は若干違うように思うのですね。保護者はこういった作られた委員会や研修会に救われるのではなくて、日々の中で困った時に担任の先生がしっかり話を聞いてくれる、耳を傾けてくれるといったところから、保護者と教員の信頼関係が構築されて、そこから子どもにもいい影響があると私は思っております。いろんな保護者の声を聞く中で、子どもを学校に人質に取られていると、だから話しづらいと、そういった感覚、そういった声をよく聞きます。そういったことからも、「こういうことをやります」とか大きく掲げると同時に、日々の中で対等な立場として保護者と教職員の方々が対話を持てるようになれば、いろいろなところで成果が現れてくるかと思います。そのようなシステムについても学校現場にお願いしたいと思います。

矢﨑委員長
 どうぞ。

澤井心の支援室長
 ありがとうございました。先ほどの大きな10ページの(3)にありますように、保護者ネットワークづくり。確かに、大きな広域の保護者の会もございますし、学校によっては工夫していただいて、ある曜日に不登校のお子さんをお持ちの親御さんが集まってお話ができるという小さなネットワークがございます。そういったところでも委員さんに今御指摘をいただいたように、保護者が担任や、あるいは関係する先生に話をできるということは、今後も活動の中で一生懸命やっていかなければいけないと思っています。市町村でも過去に不登校のお子さんをお持ちだった親御さんが、そういった方々に支援やアドバイスができる制度も徐々に整えられつつありますので、そういったところもしっかり支援していきたいと思っております。

矢﨑委員長
 室長。生田委員さんのいろんな観点から御意見を出される中で、1つ共通した観点があるのですが、審議会とかこういう検討会議をする時に、教育や福祉をサービスという言い方をしていいかどうかは分からないけれども、もしサービスという言い方をしたとしたら、例えば福祉の懇談会をする時に、供給側と、要するに役所とか社協とか先生とか、そういうサービスの供給者側ともう一方の受け手側の、実際にいろんな障害を持っている人たちに集まってもらっていろんな計画を作っていくというのは、基礎自治体では結構当たり前なのですよ。例えば、教育の問題に対してもそこのPTAの方とか、もしくは不登校で困られたお母さんとかという人たちが入ってきて、問題をどうするかというのは、当たり前の手法なのですよね。
 例えば、私はいろんな審議会に出させてもらったけれども、県の場合はどちらかというとサービスの供給側の人たち、もちろんできるだけ現場の最先端にいる人たちに出ていただくような努力はみられるけれども、実際受け手側の人たちからヒアリングとか、意見聴取みたいな形でお聞きすることはあるけれども、互角のメンバーとしてずっと最初から最後までその議論の中に参加するというか、政策決定するのに関わるということが県の場合少ないですよね、はっきり言って。私も3つか4つ、いろんな審議会をやらせていただいてきたし、今も教育委員会をやらせていただいているし、、そこら辺は何か基本的な考え方があるのか、それが当たり前なのか、それともそれでいいと思っているのか。要するに、少なくとも地方自治体は福祉や教育やそういう何かをやる時に、サービスの供給側と受け手側をミックスして、そして計画策定に関わるのですよ。県は少ないよね、教育委員会も気になってはきたけれども。しかしそれは、ヒアリングという形で意見聴取して、現場の意見をなるべく分かるようにしようということで来ていて、今回の検討会議もそうだけど、そこまで室長に聞いては失礼だけど、例えばこれからこういう不登校の問題とか、心の支援室は特に弱い立場の方たちをいかにケアしていくかということが多いから、そういう意味での委員会というか、検討会議というか、そういうことについてはどのように思われますか。

澤井心の支援室長
 そういった御指摘を、事務局ももちろんですけれども、この検討委員会の中でもそういったことについて御議論いただけるような方向で進めていきたいと思います。一般的に、今委員長がおっしゃるように、我々の施策する側の立場が多いというのは、確かにそのとおりだと思います。

矢﨑委員長
 一回どこかでやってみてくれませんか。いじめとか不登校の問題というのは、事情聴取するとかそういうのではなくて、全く同じ互角で、最初から最後まで逆の立場の人たちが、きちんと検討していくということを。特に、私は心の支援室の場合には必要かなと思いますので、検討してみてください。

澤井心の支援室長
 はい、分かりました。

矢﨑委員長
 どうぞ。

生田委員
 今、日本のある自治体で自殺問題が大きくクローズアップされ、社会的な問題として取り上げられています。これだけ大きな問題になったのも、当事者である親御さんが真剣にそれに立ち向かい、声を上げたから、今このように日本を動かすほどの、教育委員会制度を動かすほどの問題にまでなったと実感しているのですけれども、当事者が声を上げないと、物事が動かないというのは、私は今回、痛切に感じております。そういったことも、今回のこの検討委員会の委員の皆さんも本当に真剣に御議論をいただき、情報を収集して考えていただいたと思います。そのことには大変感謝いたします。ですが、もう一歩踏み込むには、当事者でないとなかなか分からないこと、感じ得ないこと、動かすことができないことは、そこから出てくると今回の件でも実感しておりますので、ぜひとも、足を踏まれた人でないとその痛みは分からないとよく言いますけれども、本当にそうだと思いますので、そういった経験をお持ちの方から貴重な御意見をぜひともいただくような体制にしていただきたいと思います。
 あと、不登校の児童生徒数が前年度よりも減っているという御報告だったと思いますが、私は減っていることが、数字的に減ることがいいと一概には言えないと思っています。学校の環境がとても危険であったり、不安に感じるような時には、避難するということで不登校を選択することは、自分自身を守るための大きな大切な手段かと思います。だから、数が増えたとか減ったとかということ以上に、しっかりと安心、安全が保たれる学校現場になることに意識を傾注していただきたいと思います。

矢﨑委員長
 他に何かありましたら。それでは、以上で教育長報告事項2を終了します。
 「その他」に移ります。「8月、9月の主要行事予定」について、田中教育総務課長から説明してください。

田中教育総務課長
 (資料説明)

矢﨑委員長
 ただいまの説明に何か御意見がございましたら。それでは、次回の定例会は8月9日木曜日の午後ということでお願いしたいと思いますが御異議ございませんか。

全委員
 異議なし。

矢﨑委員長
 御異議ございませんので、そのように決定をさせていただきたいと思います。 その他に何かありますか。では、高校教育課長からどうぞ。

田中高校教育課長
 先ほど御質問がありました、前期選抜で入った生徒がどんな状況かという御質問に対してです。平成16年度から入学者がありまして、16、17、18年度入学者がどんな状況だったかというのを、平成21年7月に簡単な数字なのですけれども、なかなか前期選抜と後期選抜の生徒の比較は、どういう比較をするのかが難しいものですが、まとめました。
 3つくらいの観点がありますが、3年間経って卒業した人の割合がどうかという点で見ますと、卒業の率は前期選抜の人の方が少し多いです。要するに、中退した人が少なかったということです。
 それから、部活動を3年間継続したかどうかという。これも、若干前期選抜の人の方が高かった。
 それから、生徒会の役員ですけれども、これはやはり前期選抜で入った人の方が生徒会の役員をやっている率がかなり高いというようなことがございます。あと大学進学率は、ちょっと単純に比較できないものですから、前期選抜の人の方が高いという状況は出ておりませんでした。
 それで、数字的にはその程度ですが、前期選抜入学者の特徴としまして、やはり目的意識を持って志願しているというところは明確にございまして、学校生活への意欲、それから目的意識というのも高いと。それに伴って、今のような部活動とか生徒会活動にも積極的であるということで、学校の活性化にもつながっているというような評価がございます。

矢﨑委員長
 いいですか。どうぞ。

高木委員
 そういう評価であるとするならば、前期選抜をやめるというのは、ただ単に入試にかかるいろいろなエネルギーが大変であるとか、あるいは受ける生徒の周辺が受検準備のために様々なエネルギーを使わなければならない。そういうことだけになってしまいそうな気がするのですが、そういうことはないのでしょうか。

 

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矢﨑委員長
 質問の意味が分かりますか。

田中高校教育課長
 もう1回言っていただければ。

高木委員
 すみません。つまり、今は前期選抜で入った子どもたちは、非常に学校の中で高い評価を受けているという意味ですよね。であるにもかかわらず、前期選抜はもうだんだんやらなくなったと、学校として。だから、学校の舵判断の内容が分からないという意味です。子どもたちがこういうふうに活躍しているにもかかわらず、やらないというのは、入試にエネルギーを費やすのが大変だからなのかと、そういう意味ですが。

田中高校教育課長
 すみません、分かりました。なぜ28校が前期選抜をやめたかということだと思うのですけれども、それにつきましてはさっきもちょっと申し上げましたけれど、やはり非常に競争率が高くなるものですから、不合格者がすごく多いということです。そのことによる受検生に非常に大きなダメージがあるという、これが1番の理由です。
 それから2番目が、不合格になった人が同じ学校を後期選抜で受検し、合格していくということ。
 それともう1つは、やはり前期選抜という観点、選抜自体の合否判定基準が曖昧であるということ。それに伴って、判定が納得しにくい、納得を得にくいというようなことが大きな3つの理由でございます。先ほど言った進路指導とか、そういう負担がというのは付随的なことだと思いますけど、生徒に与えるそういう直接的な影響、悪影響がかなり大きくなって、その結果やはりやめた方がいいのではないかという判断になったと考えております。

矢﨑委員長
 教育長、補足してください。

山口教育長
 はい。私は入試制度を思う時に、完璧な制度というものはなかなか作り得ないなと思っているのですけど、16年に今の前期選抜を入れた時には、それまでの調査書と学力検査を相関図方式でやっていくのが本県の大きな流れなのですけれども、そういったものとは違った尺度を導入する、しかも、自己推薦制という、自分はこういう高校生活をしたいと思っているとか、こういうことができますよということを、PR文であるとか面接であるとかでPRをし、あるいはそこにこういう過去の実績もありますよということを添付して、それを高等学校が判定する、こういう新しい尺度を導入するということもいいんじゃないかということで、要するに、調査書と学力検査というものとは違った尺度を導入したのですね。
 そのなかで、違った尺度の中で学力検査のように数値化できるもの以外に、例えば面接での評価でありますとか、実績をどんなふうに見るのかとか、人物をどんなふうに評価するのか、その評価の比率と調査書の比率を何対何にするのかとか、様々なことを客観性を持たせるようにやってきました。あらかじめ全部公表して、この学校はこういう生徒が欲しいと、募集の観点はこうですと、調査書は例えば50%、面接は35%、PR文は何%と、こういうふうなことを明示してやるのですけれども、やったにしても何故私のここがあの人よりも評価されるんだということは、どうしても残るのです。残って、どうしても学力検査みたいなものほどの客観性、それがいいかどうかは別ですけど、客観性とか公平性というものを担保する上で、やはり新しいものについては限界がある。これはもう永遠の限界だと私は思っております。
 そういうものが一方にあって、あとどういう生徒を合格させるかによって、この学校をこんなふうに持っていきたいという高校の思惑といいますか、そのようなものもありました。例えば学校生活の核になって学校全体、学年全体を引っ張っていくようなリーダーシップをぜひ発揮してほしいのだという、そういう目標を持って選抜したいという学校は、今でも前期試験をやっております。
 先ほど課長の方から報告がありましたけど、追跡調査の中で一番顕著に数字的に、これは明らかかなと思ったのは、生徒会活動に対する参画の状況は、やはり前期選抜の生徒が高いですね。あとは、面接とかPR文を書いて、行きたい学校で教師といろいろやりとりをするわけですね。学校へ入ってみると、そこの教師がいて、「いや、君おめでとう」、「こういうことを君はやってくれるかな」とか、そういうつながりもあって、その辺がうまくいったところは、「よし、自分も頑張らなくてはいかん」と、「君に期待しているよ」というような関係の中でスタートして、今言ったような特別活動など、生徒会、あるいは学級のルーム長に立候補すると、そういったところではやはり顕著なものはありました。だから、学校の抱えている課題によって、ぜひ前期選抜を続けたい、あるいは、例えば職業学科の中には、私どもは一定の枠を設けていますけど、その枠をもう少し弾力化してほしいと、こういう要望も出ております。
 だから、その辺は高校全体のニーズ、学校の目指すべきものに合った柔軟な制度を作っていかなくてはという部分と、先ほど説明しました、入学生のほとんどが前期選抜で挑戦して、またダメになった子も含めて再挑戦してくる、それだけのことをやらせるだけの意味があるのかどうかという部分で、学校によってはそういう課題を抱えている学校もあるのですね。また、受検生の心理として、私もこれだけ前期試験に多くの生徒が受検するようになることは当初考えなかったですけど、受検生にしてみると、やはり受検機会の複数化と捉えられる部分があります。しかも違う選考方法だから挑戦して、君はちょっと無理じゃないかなと言われても挑戦して、自分のこういうPRを買ってくれるところがあればそこで挑戦してみたいと、こういうものが働きます。だから確かに前期試験で不合格になった生徒さんがたくさん出て、それが非常に心の重荷になったケースもあるし、それでもよしと切り替えて、今度は受検だとやった生徒さんもいますけれども、やはりそういう一長一短がどうしても出てきました。それで、2年前からそういう変更を学校の独自の判断にしました。
 それからもう1つは、大きな制度的な変更には、第三者の方も含めて検討をしまして、こういう入試制度を導入するにはどういうプラスマイナスがあるかということを今までもやってきました。制度でありますので、毎年クルクル変わるようなものでは絶対あってはいけないと思っています。そういう意味で、今年2年目の検証なわけですけれども、しばらくこの形を続けて、またどういう結論になるか、今回報告にあったように、制度的に少し安定してきた、しているかなという感じは数字の上でも持っておりますけれども、しばらく様子を見た上で、また必要なものがあれば判断していかなくてはいけないと考えております。また、以前に高校入試の平均点の問題でいろいろ御指摘いただきましたので、そういったことも含めて、入試制度については常に問題意識を持ってやっていかなくてはいけないと思っていますけど、制度の安定性ということも考えながらやらなきゃいかんと、こんなふうに思っています。

高木委員
 すみません。

矢﨑委員長
 どうぞ。

高木委員
 お話は大変よく分かりますし、私もそのとおりだと思います。コロコロ変えていいものではないし、学校の方の判断で、自分の学校はどういう生徒を取りたいかということがあってのことだということであれば、それははっきり皆さん、受ける側も認識していただいた上で、二度挑戦できればしたいという子もそうでない子もあるだろうし、それはそれでいいと思います。大変いいことだとは思いますけれども、敢えて言えば、今まで二度受けられたのにチャンスが1つなくなってしまったことに対する不満がかなり見られたなということを1つ思っています。
 それから、去年から始まった屋代附属中学校の、ものすごい倍率で受けた子どもたちの一方、要するに失敗ということをしているわけですけれども、それをあまり大きな重荷にならないような形での入試というもの、もし挑戦をするのだったらそういう形で受けられるような風潮といいますか、そういう雰囲気を作った方がいいのではないかなということも少し思いました。以上です。

矢﨑委員長
 他に御意見、御質問はありますか。それではどうぞ。澤井室長。

澤井心の支援室長
 お願いします。お手元に本日別紙で配らせていただきました「いじめが起きたときの学校の対応について」というものでありますが、これはこれから校長研修、教頭研修がこの時期に集中しておりますので、そこで使う資料ということで作らせていただきました。
 (資料説明)

矢﨑委員長
 この後、違う形の報告が次の教育委員会に出るということですか。それとも、ここで終わりということですか。どういうことですか。

澤井心の支援室長
 いえ、決してこれで終わりではありませんで、そういったことを検討してまとまった段階で、できるだけ早い時期にこの会議に取組についてご報告をしたいと思っております。

矢﨑委員長
 早い時期というのは、どのくらいの目途ですか。

澤井心の支援室長
 実は今、文科省の実態調査アンケートについて、少しはっきりしない状況がありまして、こちらがやってまた1週間後に違うアンケートとなるとなかなか難しいので文科省の通知を待っている現状であります。その兼ね合いとこの委員会の日程の問題がありますので、次回かその次ということになろうかと思います。

山口教育長
 よろしいですか。

矢﨑委員長
 どうぞ。

山口教育長
 実は、教育委員会としてこうことをしなければいけないという思いがいくつかありまして、今日提案できなかった理由でありますけれど、例えば大津の事件をいろいろ見た場合、学校と教育委員会の関係、あるいは教育委員会の判断、それと首長さんとの関係、あるいは大津市教育委員会と県教育委員会の関係。そこに国が第三者的な者が調査に入るという形でいろいろな事が表に出ました。今のアンケートについても、まだ形は読めませんけれども、大臣が表明されて8月いっぱいにまとめると、こういったことを表明されております。そういうものを受けまして、教育委員会だけというのではなくて、県においても知事自身も、相当強い関心を持っていらっしゃいますので、知事部局の関係するものと全体の形について協議しながら、これで行こうという形を作って、それぞれの部署で必要なものをやっていくと、こんな考え方で今調整をしているところであります。
 したがって、教育委員会だけでこれをやってというものがあって、今日本当はお示しできればよかったのですけれど、その辺の調整も含めて今鋭意やっておりますので、できたものについては中間段階であってもお示ししていきたいと考えております。

矢﨑委員長
 何故ここにこだわるかというと、これだけマスコミを騒がせて大変大きな重大な事件が起きて、長野県も正直申し上げて不祥事が重なったという時点で、それを受けて教育委員会から何かメッセージを、今までと違ったものが出て然るべきではないかと思っている人が多いと思うのですね。今、教育長が言われたように、いくつか現場で見ると、迷っているというか、どうなのかと思うことがある。市町村教育委員会と県教委の関係、市町村教育委員会と市町村長との関係、そして今回は警察も入ってきた。教育委員会、学校と警察との関係とか、いくつかの問題が今回の事件の中に出ているので、一回その整理をきちんとして見解を出す必要があるのではないか。また、そのことは、知事部局で今いろんなボールが投げられていますけれども、それとは別に、学校がどのようにこういう重大事件が起きた時に対応するかということについて、一回まとめておいた方がいいのではないか。
 飯田の時の提言書を見て、大変深刻なシビアな報告書ですが、ああいう経験があるわけなので。大津がどうこうというのではなくて、長野県でつい最近あった、そんなに昔の話ではありません。飯田高校の問題があったので、そこら辺を県教委として。知事部局と提携して出すことはまた別なのですね。家庭とか地域の教育力とか、もっと総合的にいじめの問題を考えないと解決しないというものがおそらく出てくると思う。それはそのとおりなのですよ。だけれども、市町村教育委員会もしくは校長先生方が迷っていらっしゃるところに、具体的に何かメッセージが投げられないかどうか。大変難しいので、拙速なものだったら出さない方がかえっていいかもしれませんが、ちょっと検討してもらえれば、あまり向こうへ行ったのでは、またよくないなという気がしていますが、御意見をお聞かせください。どうぞ。

生田委員
 今お話に出ました大津市の件なのですけれども、本当に全てが後手に回って、市長と教育委員会と対立する形、警察が入る、文科省が入る。全てが後手。その後手って何なのかなと思った時に、やはりその現場の先生方の意識ですね。私は、いじめのことだけでなく、様々な場面において当事者意識、当事者視点というものを持つのと持たないのとでは、結果が180度違ってくると思うのです。この大津の件に関しましても、先生方が当事者視点でいじめにあった子どもの視点、子どもの親の視点で対応していたとしたら、もっと違った初期の段階で、いじめられた時のその対応が全て変わってくると思うのですね。でも、そうではなかった。そういった意識が薄かったと思うのですね。やはり当事者の視点、意識を持って物事に取りかかるということを、私はぜひとも現場の先生方にやっていただきたい。そのことによって、これほどの大きな問題には私はならなかったように思っています。

矢﨑委員長
 高木委員、意見がありましたら。

高木委員
 少なくとも長野県の教育委員会と、それから市町村教委との間のコンタクトというのは、必ずしも密ではないと私は思っていますし、それは自分の住んでいる近くにあるところならそれなりの接触というのはあるでしょうけれども、おそらく市町村教委の方たちは県との疎遠というのですか、遠さを感じているだろうという気はします。
 県教委が介入してくるのがいいかということではないのですけれども、やはり何らかの考え方というのか、方策というのか。いざ事が起きた時にどんなふうに対処するかというようなことでは、ある程度の合意というのですか、形というものができていた方が、やはり話もできるし、コミュニケーションが取れるのではないかとは思います。
 とにかく、大津のようなことが起きるかどうかは別としまして、ああいうことをそのままよその出来事のように見過ごしていいわけはないし、おそらく県教委はどう考えているだろうということは、県民の皆さんも注目されているだろうと思いますから、私はそれこそ内容にもよりますけれども、きちんとした対応をするという気持ちだけは示しておいた方がいいと思います。

矢﨑委員長
 耳塚委員お願いします。

耳塚委員長職務代理者
 被害を受けた子どもと、その保護者の視点を大切にするということは当然のことだと思うのですけれども、そのことが二重に持っている、つまり、被害を与えたと思われる子どもと保護者の立場というのも考えなければいけないという、そういう二重の重みを持って、教師の権限というのを奪ってきたのだと思います。つまり、正しいと思っていても、自信を持ってできない状況というのがあるような気がしていて、それを何とかできるようなメッセージというのが必要で、正しいと思うことをやってくださいとただ言うだけではだめでして。相当にそこのところがつらいのではないかという気がしています。

矢﨑委員長
 ちょっと難しい宿題かもしれませんが。やはり今回の大津のことを見ていても、小中学校の義務教育課程の責任は市町村教育委員会と市町村長が取るのですよ。あそこに県教委のコメントは一切出ていないし、知事のコメントも出ていないし、変な話ですけれど、やはり市町村からすると、改めて市町村立の小中学校の責任は自分たちが取るのだということを実感したと思うのですね。その時に、どうやって、何を、県教委がお手伝いできるかどうかということで私は申し上げているわけで、指示伝達とか手取り足取りとか、だから県教委がもっと出しゃばらなくてはだめだとか、そういうふうに申し上げているのではない。市町村教育委員会の主体性がよりはっきりした事件だったから、責任は市町村が取るということが分かった事件だったので、そこに何ができるかという観点からメッセージが出せればいいなということですので、手取り足取りどうとかこうとか、お節介をするとか、そういうことではありませんので誤解しないでいただきたい。
 他に。教育長どうぞ。

山口教育長
 繰り返しになりますけれど、本当は教育委員会としてもこういうことをやらなければいけない、こういうことをやろうという思いはあります。先ほど申し上げたように、知事部局を含めて全体を県民の皆さんにお示しした上での、例えば県の教育委員会としての役割、市町村にお願いすべきこと、あるいは何かあったら相談していただくとか、その辺の関係性の持ち方を含めて、早急に具体的な形を作りたいと思っております。知事部局の関係部局とも、今鋭意、検討しておりますので、これでこの部分はこんなふうにやりますというものができ次第、部分的であっても御報告したいと思っております。

矢﨑委員長
 そんなことで、よろしくお願いをします。他に何かありますか。事務局いいですか。
 以上で公開による審議を終了します。これから非公開の審議に入ります。恐れ入りますが、傍聴人の方々はご退室をお願いいたします。

 

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所属課室:長野県教育委員会 

長野県長野市大字南長野字幅下692-2

電話番号:026-235-7421

ファックス番号:026-235-7487

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