インターネット版広報ながのけん3月号A 2016年3月発行 特集:誰もが暮らしやすいまちづくり ■1ページ目 暮らしやすいまちってどんな街?  本格的な高齢社会の到来を迎えて、高齢者、障がい者の自立と積極的な社会参加を促すため、公共性のある建物を高齢者・障がい者が円滑に、安全に利用できるような整備が求められています。  県では、医療施設や文化施設など公共性のある施設について、障がい者等に配慮したエレベーター、階段、車いす用駐車場や乳幼児のいる家族に配慮したトイレの設置に整備基準を設けるなど、 日常生活や社会生活における行動に制限を受ける方にやさしいまちづくりを進めています。 トイレには・・・  大人用介護ベッド(ユニバーサルシート)を設置します。(床面積10,000u以上の一定の施設)  ベビーチェア(ベビーキープ)及びベビーベットを設置します。(床面積2,000u以上の一定の施設) エレベーターには・・・  側板に手すりを設けます。  内部に戸の開閉状態を確認することができる鏡を設置します。 階段には・・・  踊り場を含め手すりを設置します。  主な階段は回り階段にしません。 ■2ページ目 本当に必要としている人が使えない実態が・・・ 4/20から信州の駐車場が変わります  昨年、車いす使用者を対象に実施したアンケートによると、障がい者用等の駐車スペースを利用しようとした際に一般車が妨げになっていた、と感じた方が6割を超えており、 必要としている方が利用できないという実態があります。  このため県では、4/20から「信州パーキング・パーミット制度」をスタートさせます。この制度は、協力施設の障がい者用等駐車スペースの利用を許可制とし、障がい者や 要介護高齢者など移動に配慮を必要とする方に対して、県内共通の利用証により、優先的に利用していただくものです。 障がい者用等駐車スペースの利用状況の現状(平成27年10月 県地域福祉課実施 車いす使用者 106名回答)  対象者の妨げになるほど一般車も利用 63%  対象者の利用の妨げにならないが一般車も利用 22%  車いす使用者やその他対象者のみ利用 10%  車いす使用者のみ利用 3%  その他(未回答含) 2% ■3ページ目 教えて!信州パーキング・パーミット制度  Q どんな人が利用できるの?  A 障がい者、要介護高齢者、難病患者のほか、妊産婦、けが人などを含む移動に配慮を必要とする人が対象です。 Q 利用するにはどうすればいいの?  A 事前に利用証を申請した上で、右写真のとおり車外から見える位置に掲示してください。 Q どこで利用できるの?   この制度に賛同する協力施設の、専用の案内表示のある駐車区画で利用できます。県内協力施設の一覧は、後日県ホームページに掲載しますので、ご確認ください。  Q 利用証の申請方法を教えてください  A 交付申請書のほか、障がい等の状況が分かる書類の写しと、140円切手を添えて提出してください。   ○郵送による申請:〒380-8570(住所記載不要)県庁地域福祉課 信州パーキング・パーミット制度 担当 あて   ○窓口での申請:県庁地域福祉課または各保健福祉事務所福祉課へ持参してください。    信州パーキング・パーミット制度の概要はこちら 施設管理者の皆さまへ  制度の趣旨にご賛同いただき、駐車区画の確保と制度の周知にご協力いただける施設を募集しています。この制度を効果的に運用していくためには、協力施設・店舗数の増加が欠かせません。  車いす使用者用駐車区画と障がい者等用駐車区画の確保にご協力をお願いします。 車いす使用者優先駐車区画 ※利用対象者は、移動に配慮が必要な人であるため、施設の出入口に近い既存の通常幅の区画の一部を確保してください。 ■4ページ目 連載:私の信州創生スタイル ♯4 「300年後も元気な集落で」  栄村小滝復興プロジェクトチーム 代表 樋口 正幸さん  県では昨年10月、「信州創生」を目指して「人口定着・確かな暮らし実現総合戦略」を策定しました。「信州創生」に向けた新しいライフスタイルを体現し、自分らしい働き方、自分らしい暮らし方に チャレンジしている皆さんを紹介していく連載企画「私の信州創生スタイル」。  第4回は、平成23年3月に震度6強の大地震に見舞われた栄村小滝集落で、地域住民とともに地域の復興のために知恵を絞り、汗を流してきた樋口正幸さん。  過疎化が進んでいた上に、村内でも比較的被害が大きかった小滝地区。被災後いち早く、「小滝復興プロジェクトチーム」を結成し、平成25年10月には集落独自の復興計画をとりまとめました。「300年 後に小滝を引き継ぐ」ことを将来ビジョンとして掲げ、一歩ずつ着実に前進を続けています。 ○小滝米のブランド化  そのおいしさから、「他地区の米より高い値が付いていた」と昔から伝えられてきた小滝米。集落復興を考える上では、地域の宝である小滝米のブランド化を進め、稼ぐ力を高めていく必要がある、 と全員で確認し合いました。  独自の販売ルートの確立を目指して、首都圏等で企画された農業まつりに直接出向いてPRを行うなど、今までに経験したことのないことにも積極的にチャレンジしました。  また、袋売りではなく、ワインボトルに小滝米を詰めて、工夫を凝らしたおしゃれなパッケージにして、主に贈答用で銀座NAGANOで販売したところ、多くの方から高い評価をいただきました。 ○古民家を改修して交流拠点に活用  都市住民との交流をより一層活性化するために、被災後しばらく空き家となっていた古民家を改修し、交流拠点としての活用を始めました。小滝を理解してもらうには、実際に訪れてもらい、田植えなど を通じて交流を深めてもらうことが一番。昨年10月から供用を開始し、移住を視野に入れた宿泊体験の場としても活用されています。 ○300年後へと続く地域づくり  理想的には、震災前の世帯全員が戻ってきてみんなでやり直したいという思いはありますが、すでに小滝を出て新しい暮らしを始めている方もいます。逆に、震災後の私たちとの交流を通じて、 小滝での暮らしに魅力を感じ移住した20代の夫婦も現れました。この地に住み続けたいという思いを次の世代へとつないでいき、その先に300年後の小滝を見つけたいと思います。 「信州創生」へキックオフ ♯4  地域に飛び出せ!信州元気づくり実践塾   地域づくりをけん引するリーダーを育成するため、地域づくりに意欲はあるが、知識やノウハウがなく、活動に結び付かなかった人材を対象に、フィールドワークを通じて課題解決の手法を実践的に  学ぶ講座を開催しています。   住民と一緒に地域づくりに取り組む姿勢を養うため、県職員もメンバーの一員として参加しています。そして、卒塾後においても継続した関係を構築し、地域づくり活動をサポートしていきます。