インターネット版広報ながのけん1月号 2016年1月発行 特集:風土と情熱が醸す信州の地酒 ■1ページ目 豊かな自然環境がもたらす良質な原材料と伝統の技が育む信州の地酒 挑戦を続ける造り手の情熱と魅力向上への取り組みが呼応し みんなを笑顔にする地酒が醸し出されています 「日本酒党」のあなたはこちらへ→2ページへリンク 「ワイン党」のあなたはこちらへ→3ページへリンク 日本酒・ワインなどの味と品質を保証!原産地呼称管理制度  長野県産の農産物と農産物加工品のうち、特に味と品質が優れたものを認定する制度で、全国に先駆けて平成14年10月からスタート。日本酒、ワインの他、焼酎、シードル、米の計5品目を対象にブランド化を目指しています。  これまでに日本酒は延べ2,709品、ワインは延べ928品を認定しました。 銀座NAGANOで堪能!旬な信州味わいコーナー  銀座NAGANO 1階のカウンターバーでは、信州産の日本酒、ワインなどが気軽に楽しめます。  「おいしい信州ふーど(風土)」をおつまみに、お気に入りの一杯を探してみては? 貴重な地域資源である信州の地酒で元気なふるさとを!「信州の地酒普及促進・乾杯条例」が成立  信州が誇る日本酒、ワインなどの消費拡大に向けた「信州の地酒普及促進・乾杯条例」が県議会11月定例会で成立し、昨年12月17日に公布、施行されました。県や県民、酒造事業者などがそれぞれの立場で地酒の普及促進に努めていくこととしています。 ■2ページ目 信州の日本酒  ここが魅力!   <信州産の酒米>    信州生まれの「美山(みやま)錦」や「ひとごこち」は寒さに強いという長所を生かし、東北地方を中心に県外でも活躍中。現在、県では長野県酒造組合や信州大学工学部と連携し、「日本一の大吟醸」を目指して新たな品種の開発を進めています。   <恵まれた水資源>    「一升の酒を造るためには、その20倍の仕込み水が必要」といわれるほど、酒の品質に大きく影響する「水」。北アルプスをはじめとする標高3,000m 級の山々に囲まれ、緑豊かな長野県は、清らかで豊富な水に恵まれています。   <蔵元が誇る醸造技術>    新潟県に次いで全国で2番目に多い81の酒蔵がある長野県。代々受け継がれてきた伝統の匠の技を生かしつつ、温度管理をこまめにできるタンクを導入するなど最新技術も取り入れながら、酒造りは進化を続けています。   造り手のこだわり 長野県酒造組合広告宣伝委員長 田中 隆太さん(田中屋酒造店(飯山市))     「金紋(きんもん)錦」や「ひとごこち」など使用する酒米のほとんどを酒蔵から半径5km以内の場所で調達し、水は、野沢温泉村の水尾山の湧き水だけを使用するなど、地元産の良質な原材料にこだわっています。    また、品質を安定させるためにもできるだけ機械化を進めてきました。その上で、人間の感性が必要とされる場面ではしっかりとその力を発揮できる環境づくりに努めています。     今後も、自分自身が納得でき、消費者の皆さんからおいしいと言ってもらえる酒造りを目指して頑張っていきたいと思います。  魅力をしっかり伝えます!   <信州SAKEカントリーツーリズム>    長野県酒造組合では、県内の蔵元を巡り、信州の地酒を味わいながら信州の風土も満喫してもらうスタンプラリーを実施中。スタンプ数に応じてプレゼントがもらえます。   <長野の酒メッセ>     県内の蔵元自慢の日本酒が今春も東京と大阪に大集合。気になる銘柄を飲み比べできるのが最大の魅力です。     【大阪会場】4/18(月)     【東京会場】5/11(水)   売り手の工夫 長野県小売酒販組合連合会青年協議会会長 宮島 国彦さん(地酒屋 宮島酒店(上田市))     ここ数年、新しい感覚の若手経営者や杜氏が活躍している印象を受けます。経営規模は小さくても、確かなものづくりと効果的な情報発信が評価されているのではないでしょうか。     長野県小売酒販組合連合会青年協議会としても、信州の地酒で一斉に乾杯してもらう「信州カンパイFES(フェス)」を継続して開催するなど、地酒の普及・魅力発信に取り組んでいます。 ■3ページ目 NAGANO WINE  ここが魅力!   <高品質なぶどうを生産>    ワイン用ぶどう生産量日本一の長野県。急峻な山に囲まれ、水はけが良く、ミネラル分を含んだ土壌と、日照時間が長く、昼夜の寒暖差が大きい気候。これらが良質のぶどうを育みます。   <個性的なワイナリーの存在>    小さいながらこだわりのワインを造る新進ワイナリーから、多彩なラインアップを誇る老舗ワイナリーまで、それぞれの地域に適した栽培・醸造技術を有する30以上の個性的なワイナリーが存在します。   <コンクールでの高い評価>    「日本ワインコンクール2015」では、欧州系品種の白ワイン部門で(株)井筒ワインの「NAC シャルドネ[樽熟]2014」が部門最高賞を受賞したほか、NAGANO WINEは各部門で複数入賞。その実力は折り紙つきです。   造り手のこだわり 長野県ワイン協会理事長 塚原 嘉章さん(井筒ワイン(塩尻市))     私がこの地でぶどう造りに携わるようになって半世紀。最初は植え付けた苗が寒さで枯れてしまうなど苦難の連続でした。それでも「世界的なワインを造りたい」という一心で創意工夫を重ね、メルローを主力品種に育て上げ、現在は28種類ものぶどうを栽培。    消費者の多様なニーズに合わせて、バラエティ豊かなワインを提供できるよう努めています。     ところで、最近若手を中心に、栽培技術や醸造技術の情報交換が盛んに行われるようになってきたように感じます。もはや「わが社だけの企業秘密」などと言っている時代ではありません。今こそ、地域全体で産地化を強力に推進し、世界のワインと勝負していく時です。  ブランド力向上のために   <信州ワインバレー構想>    NAGANO WINEの振興や産地化を進めるため、県内を四つの集積地に分け、それぞれ生産力の向上や消費拡大などを目指して平成25年に県が策定。NAGANO WINEが文化として暮らしに息づき、その美しい文化に憧れて多くの人が訪れる「信州ワインバレー」を目指しています。   <今年も開催!NAGANO WINE FES in TOKYO>    県内の老舗の実力派ワイナリーや新進気鋭のブティックワイナリーなどが今年も帝国ホテルに大集合。     日 時 平成28年2月7日(日)         第1部 13:30〜15:30[完売御礼]         第2部 17:00〜19:00     料 金 7,000円(前売)     問合せ 観光部信州ブランド推進室         026-235-7249 ■4ページ目 連載:私の信州創生スタイル ♯2 「大豆パワーで海外進出」  (株)みすずコーポレーション 代表取締役社長 塚田 裕一さん  県では昨年10月、「信州創生」を目指して「人口定着・確かな暮らし実現総合戦略」を策定しました。「信州創生」に向けた新しいライフスタイルを体現し、自分らしい働き方、自分らしい暮らし方にチャレンジしている皆さんを紹介していく連載企画「私の信州創生スタイル」。  第2回は、凍り豆腐や味付けいなり揚げを製造販売する、長野市の(株)みすずコーポレーション 代表取締役社長 塚田裕一さん。健康食や和食への関心の高まりを追い風にした新たな海外市場開拓の戦略について語ります。 ○強みを生かして活路を海外に求める   世界的に食の安全や健康への関心が高まる中、15年ほど前から国際的な食品展示会に出展するなど、得意とする大豆加工食品の海外展開を進めてきました。現在、輸出の7割がアメリカ向けで、このうち9割は現地の大手すしチェーンで提供されている味付けいなり揚げが占めています。  意外に思われるかもしれませんが、アメリカのすしバーではいなりずしが「フットボールライス」「ライスポケット」の名称で人気メニューの一つとなっているのです。 ○海外展開を見据え生産体制を強化   海外展開による業務用の味付けいなり揚げの増産を見込んで、昨年11月に油揚げの新工場を稼働させました。当社では、使用する設備機械類の内製化を進めていて、自社の技術者が設計から製造までを一貫して担当しており、その技術力は大きな武器となっています。  また、資源循環型企業として、食品廃棄物を極力出さない仕組みを整え、肥料やバイオマス発電による再生利用を積極的に推進しています。こうした成果が評価され、昨年度のグッドカンパニー大賞「優秀企業賞」にも選ばれました。 ○「ハラル認証」を取得しイスラム圏へ   食品産業は人口減少の影響を特に受けやすく、国内市場のさらなる縮小が予測されるため、今後は海外売上高の比率を現在の3%から10%程度にまで引き上げていきたいと考えています。   アメリカに続く新たな海外市場として注目しているのが、東南アジアや中東などのイスラム圏の国々です。特に、マレーシア、インドネシアなどでは、すし店が増えてきており今後需要の拡大が見込まれています。  こうした動きを見据え、味付けいなり揚げがイスラム圏のルールに適した製品であることを証明する「ハラル認証」を昨年9月に取得しました。   「いなりずし」という日本の食文化を広めていく役割も果たしつつ、新たな市場に踏み出していきたいと考えています。 「信州創生」へキックオフ ♯2  海外展開を支える(公財)長野県中小企業振興センター   中小企業振興センターは、県内中小企業のマーケティング力や経営基盤の強化などを総合的に支援する団体です。   新興国市場等への販路開拓や海外企業との技術連携などを支援するため、グローバル展開推進員を3名配置。海外展示会への出展や海外の工場等へキャラバン隊を派遣して商談会などを実施しています。